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ConnectedLife 様

ConnectedLife 様

「音」のセンシングで、プライバシーを重視した見守りを実現 IoT 活用でシンガポールの高齢者自立支援に挑む

高齢化が進むシンガポール、今や単身世帯の約3分の1は65歳以上だ。独り暮らしの高齢者が増えるに従い、その生活を支える新たなサービスに対する需要が高まっている。同時に、慢性疾患の発症が増え、コストの増加や労働力不足などの問題にすでに直面している医療およびホームケア業界をいっそう疲弊させている。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)技術を活用した高齢者向けの見守りサービスを提供するConnectedLifeは2017年4月、同社が展開する高齢者ケアプラットフォームに富士通の「音」による最先端センシング技術を導入し、プライバシーを確保した上で高齢者の健康状態や突然の状態変化に対応する新たな高度サービスの提供に乗り出した。

課題と効果

  • 独り暮らしの高齢者の突然の体調変化にも、家族や介護スタッフがすぐに対応できる仕組みをつくりたい
    高齢者の生活音を収集して「いつもと違う状態」を検出し、急な体調変化もリアルタイムに家族や介護スタッフに通知
  • 高齢者に提供されるケアの質を向上させるため、プライバシーを重視した健康状態の見守りサービスを提供したい
    カメラ撮影や会話の録音に頼らない、富士通独自の音の分析技術で、プライバシーを確保しながら高齢者を見守り

背景

少子高齢化が進む中、省力化や生産性向上が課題に
離れた家族が安心して暮らせるソリューションを

シンガポールでは人口の高齢化が進むとともに慢性疾患が増えている。医療コストの上昇や介護に携わる人材の不足などが社会的な課題になっており、シンガポール政府はサービス業の省力化に向けてICT技術の導入を奨励する。

ConnectedLifeは、高齢者向け見守りサービスのニーズの高まりに早くから着目し、さまざまな企業のIoT技術を取り入れて見守りサービスの構築を進めてきた。同社はシンガポールの大手通信事業者や介護サービス事業者と協力して、高齢者のモニタリングサービスと緊急時のアラート配信サービスを、独り暮らしの高齢者や高齢者向け施設を対象に展開している。「離れた所に住む家族が安心して暮らせるように、独り暮らしの高齢者を見守るサービスの提供を始めた。高齢化は多くの先進国に共通する社会課題。多くの潜在顧客が世界中でサービス提供を待っているはずだ」(ConnectedLifeの創業者で会長のDavid Arnold 氏)。

  • Mr.Daryl Arnold
    Chairman
    ConnectedLife

経緯

高齢者のプライバシーを守り、健康状態を把握
富士通の「音」によるセンシング技術を知り、導入を即決

高齢化は世界全体の課題になりつつあり、高齢者の見守りサービスに対する需要は高く、急速な成長が見込める分野ではある。一方で、ConnectedLifeが提供するようなソリューションはまだ発展段階にある。ConnectedLifeが抱えていた課題は二つあった。一つはきめ細かな見守り。もう一つはプライバシー保護である。

従来のサービスは、個々の動作やドアの開閉を検知することで、高齢者が問題なく生活できているかを判断していた。しかし、この手法では高齢者の細かい健康状態や突然の状態変化が分からなかった。

高齢者のプライバシー保護も重要なポイントとなる。例えば監視カメラや声の検知システムを設置して生活の様子やそこで発生する音声をモニターする手法では、生活の様子が丸見えになったり、どんな会話をしているのかが第三者に聞かれてしまったりしかねない。

この二つの課題の解決に最も適していたのが「FUJITSU IoT SolutionUBIQUITOUSWARE 居住者の見守りソリューション(RMS)」とそのソフトウェアだった。

ConnectedLifeは、綿密なテストを経て、Info-communications Media Development Authority of Singapore(IMDA)の承認を受け、高齢者の個人情報が第三者に流出することを防ぐ堅牢で安全なシステムも構築。

「富士通のRMSがわれわれのソリューションの価値をさらに高めてくれると確信している。また富士通の技術ノウハウは、ビジネスを世界展開するときの武器にもなると考えている」(Arnold 氏)。

ポイント

生活音を検知、問題が発生すれば家族や介護スタッフに通知
機器はシンプルで高齢者の生活にシームレスにフィット

RMSは、高齢者宅内に設置したセンサー端末と富士通独自の音響分析技術により、「いびき」、「呼吸の乱れ」、「咳」、「異常音」など高齢者の生活音を収集。集まったデータはイベントとしてクラウド上に蓄積される。

会話の内容そのものを記録するのではなく、生活音から会話している様子を「発話」イベントとして検出し、必要な分析結果のみを利用するため、プライバシーが守られる。高齢者は、室内や電話で話す内容が記録されるのではないかと気にしなくて済む。また高齢者は、機器の緊急ボタンを押すことで24時間365日体制のコールセンターや、家族、介護スタッフと直接通話できる。

例えば、高齢者の咳が続く場合、アルゴリズムが「いつもと違う状態」と判断し、アラートで家族や介護スタッフの携帯電話に通知する。「富士通のアルゴリズムの精度と処理速度の速さによってリアルタイムでモニタリングが実現できた」(Arnold 氏)。さらに、いびきなどの音を検知し睡眠の質を分析したり、室内の湿温度を測定したりすることもでき、その人の総合的な健康状態と居住環境の把握が可能になる。RMSは使い勝手がよく、家族や介護スタッフら見守る側は、ウェブやモバイル端末からリアルタイムで高齢者の状態を把握できる。

シンガポールの介護サービス事業者からは「機器がシンプルなので、高齢者でも使いやすい」「ワイヤレスでサイズも小さく、設置場所に困らない」といったコメントが寄せられており、使い勝手への評価は上々だ。見守る側の家族からは「年老いた親の日常の健康状態が分かるので安心」といった声が挙がっている。

効果と今後の展望

高齢者見守りサービスは世界的に高い需要
日本や豪州や欧州、北米などに展開へ

次に進めるのは人工知能の活用だ。クラウド上に蓄積した高齢者の健康状態に関するデータを分析し、生活の質を高めるためのアドバイスを行うなど、サービスの付加価値をさらに高める構想を持つ。

富士通との協業については、「富士通の持つIoT などの先端技術を学び、ConnectedLife からもセンサーのパフォーマンスやアルゴリズムの活用状況を常時富士通に情報提供することで、新技術の開発に貢献し付加価値の高い見守りサービスを展開したい」(Arnold 氏)。

さらにConnectedLife は、他社との協業を積極的に推進し、富士通とともにこのサービスを日本、豪州、欧州、北米などで提供する構想を持つ。「高齢者の見守りサービスは世界的に高い需要が見込まれている。少子高齢化が進む日本のマーケットで豊富な知見を持つ富士通から、見守りサービスのあり方について多くのことを学びたいと考えている。富士通と一緒に未来を築いていきたい」(Arnold 氏)。

世界の先進国で高齢化が共通の課題となる中、高齢者の健康で自立した生活を支援するサービスを提供することは社会的意義が大きい。IoT 技術を活用した見守りサービスの市場は成長初期の段階だが、ConnectedLife は富士通との協業を通じて付加価値の高い見守りサービスを展開し、高齢者向けの見守りサービスの高度化を進め、大きな産業に育てる考えだ。

ConnectedLife 様
事業分野 IoT 向け技術やアプリケーションを活用したウェルネス・ヘルスケアサービスの提供
設立年度 2013年2月7日
ホームページ http://connectedlife.ioOpen a new window
概要 高齢化が加速するグローバル社会のニーズに対応するためにIoT 向けの独自技術とアプリケーションを開発するウェルネスおよびヘルスケア企業。本社はシンガポール。グローバルな高齢化社会のために、自立した生活や慢性疾患の管理、整形外科的症状やパーキンソン病における生活機能の補助ケアといった、高度なソリューションを開発している。

[2017年10月掲載]

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