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LOTTE CARD 様 事例

LOTTE CARD 様

手のひら静脈認証の活用で「手ぶらでショッピング」を実現し、韓国金融業界を牽引する安全・便利な決済ソリューション

韓国では、国の方針としてFintech 産業の活性化を推進している。一方で、大規模なクレジットカード情報流出事件を踏まえ、利用者(国民)からは生体認証をはじめとするセキュアな仕組みが求められている。そこでLOTTE CARD は、富士通の「手のひら静脈認証」ソリューションを採用した「HandPay 決済サービス」を構築し、決済の際にクレジットカードやモバイル端末を必要としない新しいショッピングスタイルを提供。利用者への利便性向上と韓国金融産業のリーダーとしての地位確立を目指し、他社に先駆けた先端のFintech サービスを開始した。

課題と効果

  • 今までにない、安全で利便性の高い決済の仕組みを提供したい
    クレジットカード利用者が「手ぶら」で買い物できる新サービスを実現
  • 競合他社との差別化を図り、金融産業においてリーダーシップをとりたい
    手のひら静脈認証を採用することで、韓国のFintech 事業で他社を先取り

導入の背景

国を挙げてFintech 分野の活性化を促進
セキュアな非対面での本人認証が不可欠に

韓国では、政府が Fintech 分野の産業活性化に向けた政策を推進してきた結果、モバイル金融サービスは急速に拡大している。生体認証を利用した電子決済などのサービスも増えてきた。Fintech 分野では約 9 万件の新規雇用が生まれたという。生体認証市場も、2016 年は 2012 年の 2倍となる 3000 億ウォン規模に成長した。

こうした中で LOTTE CARD は、クレジットカード利用者に、安全で利便性の高いサービスを提供し、他社と差別化を図りたいと考えた。そこで打ち出したのが、クレジットカードさえ持たずに、手のひら静脈の認証だけで決済できる「HandPay 決済サービス」である。従来、生体認証を使って本人認証からクレジットカード決済まで済ませられるサービスはなかった。

このために LOTTE CARD は富士通の「手のひら静脈認証」ソリューションを採用。事前に生体情報を登録した利用者に対し、系列店舗での支払いの際、認証装置に手のひらをかざすだけで決済できるようにした。LOTTE CARD の Marketing Head Office Managing Director の Park 氏は、「ロッテグループは他社に先駆けて新たな技術の導入に挑戦する企業。韓国クレジットカード市場の No.1 事業者ではないが、人工知能(AI)やビックデータ分析なども率先して採用し、先進技術を活用した金融サービスでは韓国のリーダー企業になりたい」とビジョンを語る。

  • Mr. Park Doo-hwan
    Managing Director
    Marketing Head Office
    LOTTE CARD

  • Mr. Kim Byung-jun
    Head
    Digital Payment Team
    LOTTE CARD

導入の経緯

生体認証の中でも強固さ誇る「手のひら静脈」
韓国内での導入実績が後押し

手のひらの静脈による認証は、指紋認証と比較しても偽造されるリスクは圧倒的に低い。指紋は体の表面にあるため触ったものに残るし、最近はスマートフォンに搭載されているカメラの解像度が上がり、ブログなどに掲載されている写真から指紋を復元した例さえある。顔や虹彩を使った認証も、体の表面から得られる情報を使うために偽造されやすい。

この点、静脈は体の内側にあり、血管中の還元ヘモグロビンという生体の特定成分までを個人の情報として読み込んで認証する。このため、偽造のリスクはゼロに近いと言われている。本人を識別する精度の高さに関しても、手のひらの静脈血管は本数が多く、形も複雑であることから読み取る情報量が多く、他人受諾率 0.00008%、本人拒否率 0.01%と他の生体認証技術と比較して安全である。手のひら静脈認証を採用すれば、スキミングなどによるカード詐欺や、他人のなりすまし詐欺などに対する防止力も高くなる。

富士通は韓国において、新韓銀行の手のひら静脈認証システム、韓国金融決済院(KFTC)の生体情報分散管理センターにおける生体認証システムなどを導入した実績を持つ。KFTC は、この基盤システムを使って、金融機関の生体認証導入・運用を支援するサービスを提供している。これら韓国での導入実績と、KFTC のサービスを使える状況にあったことが、LOTTE CARD の手のひら静脈認証システム採用の後押し材料となった。

導入のポイント

手のひら静脈の情報だけで決済を完了
既存決済システムなどとの連携も視野に

手のひら静脈認証を行う際には、手のひら全体に近赤外線を均一に当てて静脈血管を撮影し、登録されたデータと照らし合わせる。富士通が開発した非接触型の手のひら静脈認証システムでは、利用者が認証端末のセンサー面に直接触れなくても、手をかざすだけで血管の情報を読み取れる。このため、不特定多数の人が利用する環境でも衛生的であるというメリットがある。実際には、非接触で近赤外線を手のひらに均一に当てる制御は難しい。富士通はこの課題を、さまざまな分野で培ったスキャニング技術を応用することで克服した。

  • 手のひら静脈認証装置「PalmSecure™」の活用で、手のひらをかざすだけで決済が可能

LOTTE CARD が始めた HandPay 決済サービスの利用者は、まずカードセンターで静脈の生体情報をスキャンして登録する。スキャンされた静脈パターン情報は、生体認証サーバで各個人のクレジットカード情報とひも付けられる。この際、静脈パターン情報は解読不可能なデータに変換し、LOTTE CARD と KFTC で分散管理する。

登録済みの利用者は、レジで精算を行う際、決済端末に携帯電話番号を入力したあと、手のひらをスキャナにかざす。この静脈パターン情報を、生体認証サーバ上のクレジットカード情報と照合。承認確認して決済が完了する。利用者が財布や、クレジットカード、携帯電話やスマートフォンなどのモバイル端末すらも携帯することなく、決済を可能にした。

効果と今後の展望

目指すは「手ぶらでショッピング」
新たな体験を韓国から世界へ

LOTTE CARD は HandPay 決済サービスを、まず、ロッテワールドタワーにあるセブンイレブンの無人店舗に導入した。今後は既存の決済システムや店頭の POS 端末などと連携させ、ロッテグループが提携する店舗に展開していく計画である。

LOTTE CARD の Smart Business Team Head の Kim 氏は、「富士通は韓国特有の規制や環境を理解し、豊富な経験と高い技術力で私たちのリクエストに応えてくれた」と評価し、「これからも韓国内における本サービスの市場拡大のために富士通の積極的な協業を期待する」と話した。

HandyPay 決済サービスがさまざまな店舗に導入されれば、手ぶらで店舗に入り、買い物できるようになる。Kim 氏はクレジットカード会社が提供するサービスにおいて、一番重視しなければならないことは顧客の利便性であるとし、「LOTTE CARD は財布やクレジットカードすら持つことなく手ぶらで買い物ができるという、まったく新しいショッピングのあり方を提案する。私たちの先鋭的な取り組みが、顧客の安心感を生むことになると確信している」と話す。

日本市場で検証された富士通の技術が韓国ロッテグループの流通と金融インフラに出会うことで、未来を担う新サービスが生まれた。手のひら静脈認証ソリューションを利用した新しいショッピングスタイルは、韓国をきっかけに世界中に広がっていく可能性を秘めている。

LOTTE CARD 様
事業分野 与信専門金融業(クレジットカード事業、賦払金融業)
事業規模 資産総計(2016 年度期)10.2 兆KRW(連結財務基準)
当期純利益 1,416 億KRW(2016 年度期)
拠点数 18 ヶ所
従業員数 1,704 人
設立年度 2002 年12 月3 日

[2017年7月掲載]

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