GTM-MML4VXJ
Skip to main content
  1. ホーム >
  2. 企業情報 >
  3. ライブラリー >
  4. 導入事例 >
  5. 株式会社 島津製作所 様

株式会社 島津製作所 様

株式会社 島津製作所 様

生産状況の可視化により問題やその原因を容易に特定。導入から半年で15%の生産性向上を実現

島津製作所は、工場のIoT(モノのインターネット)化により生産ラインを可視化し、効率的な稼働を可能にするスマートファクトリー化を推進している。その一環として、リアルタイムの生産状況をわかりやすいグラフで表示できるVisuaLine(ビジュアライン)を、プリント基板の実装ラインに導入した。これにより、生産が滞っているポイントや原因などが一目瞭然になり、導入から半年で生産性が15%アップ。改善結果が目に見えるようになり、現場のモチベーションも向上した。

課題と効果

  • 工場の次世代化に向け製造ラインを可視化したい
    わかりやすいグラフでラインの稼働状況が一目瞭然
  • 改善すべき製造ラインの問題点を把握したい
    可視化により問題点が顕在化するため、迅速な改善が可能
  • 劇的な改善が難しい生産性を向上したい
    半年で15%の生産性向上を実現

導入の背景

競争力の向上を目指し、スマートファクトリー化に着手

島津製作所は、明治維新から間もない1875年、初代島津源蔵が京都で理化学器械の製造を始めたことに端を発する。同社の田中耕一氏が、民間企業に所属する研究者として初めてノーベル化学賞を受賞するなど、その技術力は極めて高く、最先端の高品質な分析機器や計測機器などで、日本の科学技術やものづくりの発展に寄与してきた。

その企業価値のさらなる向上を目指し、同社では、2015年度から次世代化プロジェクトを推進。ものづくり領域では、工場の次世代化、すなわちスマートファクトリー化を目指して生産ラインの可視化やトレーサビリティの強化、単純作業の機械への代替などを進めている。それを工場とともに推進しているのが、全社の業務プロセス改善に最先端技術を役立てる活動を推進する業務プロセス革新室である。株式会社島津製作所 業務システム統括部 業務プロセス革新室 室長 小西昭士氏は、「工場には見えないムダがたくさんあります。しかし、タイムリーに問題が分からず、改善のタイミングが遅れたり、サイクルが長くなってしまいがちです。そこで、最先端の技術を現場の改善活動に取り込むことで、アクションが早くなることを狙っています。ただ、一方的に押し付けてはうまくいかないので、工場の問題を現場スタッフと共有し、協力して進めています」と語っている。

実際現場では、日々改善活動には取り組んでいるが、思ったように進まないという悩みがあった。株式会社島津製作所 モノ作りセンター センター長 吉久一志氏は、「従来はトラブルが起きても、何が問題なのかがよくわからないことが少なくありませんでした。推測した改善点が間違っていることもあり、真の原因がわからないため、思うように生産性が向上しませんでした」と当時の課題を語る。この課題を解決するため、工場の可視化が強く求められた。

  • 株式会社 島津製作所
    業務システム統括部
    業務プロセス革新室
    室長 小西 昭士 氏

  • 株式会社 島津製作所
    モノ作りセンター
    センター長
    吉久 一志 氏

  • 株式会社 島津製作所
    モノ作りセンター
    電子グループ(生産技術)
    富樫 拓紀 氏

導入の経緯

直感的にわかりやすい表示に一目ぼれ、問題の深掘りや分析もでき、迅速な利用開始が可能

スマートファクトリー化に取り組む同社に富士通が提案したのが、製造装置のログデータを活用し、製造ラインの状況を可視化する「FUJITSU Manufacturing Industry Solution VisuaLine(ビジュアライン 以下、VisuaLine)」である。富士通との共同実証で大きな成果を出しているオムロン株式会社の草津工場を見学し、実際にVisuaLineが活用され、刻々と動くラインの稼働状況が手に取るようにわかる様子を見た吉久氏は、「一目ぼれしました。決定前に他社製品も検討しましたが、VisuaLineが圧倒的にわかりやすかった」と評価している。

VisuaLineは、ログデータを基に生産状況を時系列でグラフ表示(図1)。グラフ上の線の間隔が狭く等間隔で整然と表示されていると、生産ラインはスムーズに稼働しており、線の間隔が空くとラインが遅滞していることを表す。そこに、工程ごとで発生したエラーなどをバブルチャートで重ね合わせ、問題の有無が直感的にわかるようにした。

VisuaLineを選択した理由について小西氏は、「装置のログデータをそのまま活用できるので、早く立ち上げることができました。直感的にわかりやすいだけでなく、細かく深掘りして調べることもできる。蓄積したデータを分析することで、プロセスの改善に役立てることもできます」と語っている。

同社は、2016年6月から、同社の製品に使用されるプリント基板の2つの実装ラインでVisuaLineの検証を開始。9月から本格的に利用を開始した。

  • 図1:ビジュアラインの直感的な可視化が可能な画面

ポイント

生産工程の可視化により問題への対応力が向上、 現場のモチベーションもアップ

VisuaLineを製造ラインのすぐ横の大型ディスプレイに表示する事で、どこで生産が滞っているかなどを、誰でもすぐに確認できるようにした。また、ネットワークがつながっていればどこからでも見られるので、外出先からでもリアルタイムで生産状況の確認が可能だ。従来との違いについて、株式会社島津製作所 モノ作りセンター 電子グループ(生産技術) 富樫拓紀氏は、「以前はトラブルが起きると設備のログをExcelに移して分析しており、問題の発見までに10~30分かかっていました。それがVisuaLineなら一目で問題点がわかります」と高く評価する。

VisuaLineの導入から約半年だが、可視化で把握した問題を元に上流部門へフィードバックすることにより、全体最適の実現にも貢献している。プリント基板の実装ラインには、基板上に部品をマウントし、熱を加えるという工程がある。これまでの改善はマウント工程がボトルネックであると考え対策を講じてきたがうまくいかなかった。それがVisuaLineの可視化によって、後の加熱工程がボトルネックとなるケースもあることが判明した。
プリント基板は、一つの大きな基板に部品を搭載し、搭載後に分割して実際の製品にするが、改善の一例として一つの基板で取れる製品を倍の量に増やすよう、設計に対して提案した。これによりボトルネックであった加熱工程とマウント工程のサイクルタイムが平準化され、一度に倍の量の基板を製造できるようにもなった。「初めて工場から設計にサイクルタイムの平準化に視点をおいた提案をしましたが、うまくいきました」と富樫氏は語る。

また、大きな効率化につながっているのが、多品種少量生産のため日に何度も行われる段取り作業だ。製品が変わる度段取り替えをする必要があり、従来は1日に合計1~2時間費やしていた。それが可視化による改善によって16%以上削減されており、生産性向上に大きく貢献している。

さらに富樫氏は、「改善点が見えるので、改善のモチベーションが高まり改善提案が増えました。改善後も、実際によくなったことが見えるので、さらにやる気が出るなど改善活動が活性化されています」と現場のモチベーションアップにも貢献していると語っている。

効果と今後の展望

半年で生産性が15%アップ、海外展開にも取り組む

今回VisuaLineを導入したラインでは、導入から半年で320時間の作業工数の削減を実現。さらに生産性も向上し、吉久氏は、「従来いろいろな地道な改善を積み上げても少しずつしか上がらなかった生産性が、15%アップしました。実際のところ改善点が出過ぎて処理しきれていないのが実情で、今後これらを積み重ねることで、さらに生産性を上げることができると思います」と期待を語る。

同社では、同様のラインがあるフィリピン工場にもVisuaLineを導入する予定。小西氏は、「先行して導入しノウハウを持った本社のモノ作りセンターで、フィリピン工場の情報を共有できるようにします。これにより、両者が協力して問題解決を図っていきたい」と抱負を語った。

株式会社 島津製作所 様
所在地 京都市中京区西ノ京桑原町1
代表者 代表取締役社長 上田 輝久
概要 1875年、京都で創業。社是に“科学技術で社会に貢献する”を、経営理念に“「人と地球の健康」への願いを実現する”を掲げ、先進的な製品を世に送り出してきた。従来から強みを持つ分析機器、計測機器、医療機器、航空機器、産業機器に加え、近年は、社会問題解決のため、新たな環境計測や医療分野などの研究も進めている。

[2017年5月掲載]

富士通コンタクトライン(総合窓口)
0120-933-200(通話料無料)
受付時間 9時~17時30分
(土曜・日曜・祝日・当社指定の休業日を除く)
138-BFF-042