富士通は社員の農業体験の場として活動しているブドウ農園の奥野田葡萄酒醸造株式会社様に対し、2011年6月よりブドウ畑の温度・雨量・湿度データを自動収集するマルチセンシング・ネットワークを提供し、高品質なワイン作りに貢献しています。
良質なワインの醸造には、ブドウの収穫時期や色素の度合いを見極めることが重要であり、圃場の気温変化を把握することが有効といわれています。これまで圃場のデータ収集は手計算による集計・分析が一般的でしたが、システムを活用することで、年間を通して1日24時間10分間隔で圃場データを収集できるようになりました。
4年にわたって蓄積したデータを統計解析したところ、ブドウにダメージを与える大きな要因の1つである、微生物やカビが発生しやすくなる温湿度の状態が見えるようになりました。この温湿度状態が長く続く場合を「危険な環境」と判断するようにシステムに設定することで、農園スタッフのスマートフォンにアラートメールが届き、適切なタイミングで適切な防除を行うことが可能となり、農薬散布回数と農園スタッフの作業工数削減につながりました。
こうしたICT活用による品質管理がワインの品質向上につながっており、経済産業省より「世界にまだ知られていない、日本が誇るべきすぐれた地方産品『The Wonder 500™』」の1つとして、「ワイン・ヴィーナス桜沢シャルドネ」が選定されています。
奥野田葡萄酒醸造株式会社ワインファーム内にある「富士通GP2020ワインファーム」にて、富士通グループ社員と家族が農作業のお手伝いをしています。世界一のワイン造りを目指すオーナーとともに、日本では難しいといわれているカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培に挑み富士通GP2020ワインを造っています。