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Fujitsu

Japan

スーパーコンピュータ「京」はとてつもなく速い

スーパーコンピュータ「」は、10ペタフロップスの計算速度を達成しました。10ペタフロップスの計算速度とは、いったいどのくらいの速さなのでしょう。

10ペタとは、1の後ろに0が16個も続く途方もなく大きな数です。この数字は、漢字による数の数え方で「1京」です。じつはスーパーコンピュータ「京(けい)」は、この10ペタを表す「1京」にちなんで名付けられています。

1京回の計算というと、地球上の全人口70億人が電卓を持って集まり、全員が24時間不眠不休で1秒間に1回のペースで計算を続け、約17日間かけてようやく終わる勘定です。「京」は、これをたった1秒でやってのけることになるのです。

「京」は、どのくらい速いのか?

とてつもなく速い計算パワーを実現する様々の技術

1秒間に1京回というとてつもなく速い計算能力を持つ「京」を作るためには、何が必要でしょうか。

このような処理能力を実現するには、CPU単体では、どうしても計算能力に限界があります。そこで、計算能力を向上させるために、CPUを大量に連結させる方法が用いられています。「京」の場合、まず世界最高クラスの性能を持つCPUを開発し、それを8 万個以上接続する技術が開発されました。

CPUとはコンピュータの心臓部分なのですが、私たち人間が、心臓だけでは活動できないのと同様に、「京」もCPUだけで大規模計算を高速に行うことはできません。大規模計算では、色々な計算処理を行い、その計算結果を使用したさらなる計算処理が繰り返し発生するため、CPU間のデータ通信が重要になります。CPUは8万個以上ありますので、膨大な量のデータを効率よく交通整理して通信するネットワークが必要です。

また、毎秒1京回という凄まじいスピードで計算する「京」が行う大規模計算に関わる大量のデータを瞬時に出し入れするためのメモリも欠かせません。さらに、つぎつぎと出てくる膨大な計算結果を保存するための記憶装置も必要です。

「京」は、超高速計算に求められる様々の要素について、富士通のノウハウを結集して設計・開発された画期的新技術を採用し構築されています。すべてが世界最高の水準を備えているからこそ、1秒間に1京回という計算速度を実現しているのです。

〔コラム〕 稼働性(可用性)の高いシステムを実現するには?

「京」は、CPU8万個以上、ケーブル20万本以上、というように、膨大な数の部品からできています。そのため「故障しにくい」「一部故障してもシステム全体は稼働し続ける」「故障個所はシステム稼働中に交換できる」ことが重要になってきます。

CPUは、壊れにくくするため、稼働時に発生する熱を、水冷によって取り除いています。もう一つ重要な構成部分であるCPU同士を繋げてデータのやり取りをするネットワークは、6次元メッシュ/トーラスと呼ばれる高性能・高信頼性の独自ネットワークを採用しています。6次元メッシュ/トーラスでは、CPU同士を繋げる時に、ネットワークを多次元化することで、より柔軟なデータのやり取りを実現することができます。そのため、稼働中に、一部の部品が故障しても、故障した部品を回避して、システムの稼働を継続できるような仕組みになっています。

なぜ必要なの?

富士通の挑戦

お答えします スパコン Q&A

注 : 「京」は、理化学研究所の登録商標です。