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Fujitsu

Japan

3分でわかるスパコン

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未来への扉を開く

温暖化のようす イラスト

私たち人類の歴史は挑戦の歴史です。よりよい未来を求めて、人類は科学技術を生み出し、その力を使ってさまざまな課題を解決しながら豊かな社会を築いてきました。
しかし、課題は尽きるどころか、よりよい未来のためにはまだまだ多くの課題が残されています。

異常気象のようす イラスト

たとえば、地球環境の悪化で、この地球で、一体どのような問題が起こっているのか。それに対処するには、どのようなことをしなければならないのか。また、近年頻発する異常気象や地震・津波など、いつ起こるか分からない自然災害から被害を最小限に抑えるためには、どのように対処しなければならないのか。さらに、いまだ原因が特定できない多くの病気をどのように解明するのか、より優れた新薬をどのように開発するのか。こういった問題は、早急に手を打たなければならないにもかかわらず、問題の複雑さや、費用などから、なかなか先に進まないこともたくさんあります。

このように科学技術の進歩が必要な挑戦分野には際限がないのです。この限界に挑戦し未来への扉を開くための私たち人類の強力な力、それがスーパーコンピュータなのです。

とてつもなく速く

ジェット機とカタツムリ イラスト

スーパーコンピュータとは、ひと言でいえば「とてつもなく速い計算ができるコンピュータ」です。現在()世界で最も速いスーパーコンピュータは、1秒に1京回の計算ができる性能を達成しています。これが、文部科学省が推進する「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築」計画のもと、理化学研究所と富士通が共同で開発したスーパーコンピュータ「京」です。この性能は地球上の全人口70億人が電卓を持って集まり、全員が24時間不眠不休で1秒間に1回のペースで計算を続け、約17日間かけてようやく終わる勘定です。それを「京」は、わずか1秒でこなしてしまうのです。もし普通のパソコンの計算速度をカタツムリにたとえるなら、「京」はジェット機の速さにもなるのです。

スーパーコンピュータが得意な分野の一つにコンピュータシミュレーションがあります。いままで解決できなかった複雑で高度な課題には、高速なコンピュータシミュレーションが可能になることではじめて、科学的な解明が期待できるようになるものがあるのです。そして、コンピュータシミュレーションで結果を得るためには、膨大な計算を行う必要があります。その膨大な計算を処理するのが、「京」なのです。

「京」は、まもなく完成します。私たちは素晴らしい未来にまた一歩近づいていくことができるのです。

(注) : 2011年11月 TOP500リスト

性能世界一

今、世界中がスーパーコンピュータの性能を競っています。
では、各国がスーパーコンピュータの開発に凌ぎを削る理由はなんでしょうか。

次世代の科学者を育む イラスト

先ほど、コンピュータシミュレーションでは、膨大な計算を行う必要があると説明しました。より速いスーパーコンピュータを手に入れることで、より速く・より広い分野で研究を進めることができるのです。また、スーパーコンピュータの研究・開発を通じて、それに携わる産業界全体の技術向上にも繋がっていきます。さらに、超高性能のスーパーコンピュータを開発・活用することにより、超一流の科学者が集い、挑戦的なテーマに挑む環境も整備されます。そうした環境がその国の研究水準を引っ張り、産業へ応用されることで国際競争力を強化できるのです。最も速いレーシングカーを目指して開発し、そこに最も腕のいいレースドライバーが集まり、それらが結果として自家用車の性能向上につなげられることと同じです。

こうした限界への挑戦の結果、地球や人類の発展へ向けた成果が生み出されるのです。優れたスーパーコンピュータは一国の技術水準の牽引役でもあるのです。

Computing the ideal future

「京」には、コンピュータの心臓部であるCPU(演算装置)が8万個以上も搭載されています。普通のパソコンでは、CPUは1個だけです。高性能CPUの開発に加え、8万個以上のCPUを超高速で接続し、計算をしてもらうためにも、日本の誇るものづくりの技術が必要でした。高性能・高信頼・低消費電力のCPUを開発するだけではなく、これだけ多くのCPUを一斉に動かし、連動しながら超高速に計算をするためには、CPUの能力はもちろん、計算するデータをそれぞれのCPU間で共有するための仕組み、ネットワークがとても重要になってきます。このネットワークを繋ぐケーブルの総本数は20万本以上になり、ケーブル長の合計は1200kmにものぼります。

PCとスパコン イラスト

これはどの国、どの組織にとっても容易なことではありません。「前人未到の未来の課題を解決するためには、前人未到の高性能のスーパーコンピュータが必要だ」。地球の未来と技術の粋への思い。これが技術者たちを動かしたのです。イノベーションに終わりはありません。より広いお客様にも手の届く実用的なスーパーコンピュータの開発を含め、「理想の世界の実現に向かうための最高のツールを開発し続けたい」と私たちは日々取り組んでいます。

なぜ必要なの?

スーパーコンピュータ「京」って何?

富士通の挑戦

お答えしますスパコンQ&A

(注): 「京」は、理化学研究所の登録商標です。