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事例紹介 川崎市多摩区役所 様

川崎市多摩区役所 様

地域の健康づくりを担う保健師業務の改善
FI活動による働き方改革の実現~多摩区から
全庁展開へ

川崎市様では、職員の業務をより効率化するためにフィールド・イノベーションを活用。多摩区役所の保健師業務を
見直すことで、残業時間を削減しながら地域支援を充実させました。

課題と効果

  • 働き方と仕事の進め方を改革し、時間外勤務を削減しつつ
    保健予防を充実させたい
    残業が月35時間を超えている職員の割合を約4割削減することに成功
    ※2018年6月現在、昨年度比
  • 保健師が緊急性の高い母子の
    支援に時間を取られ、地域支援にまで手が廻らない
    支援業務などの見直しにより、地域の健康づくりの時間をより多く捻出

背景

働き方改革の実現に向け、民間企業の知見を導入

神奈川県川崎市では、以前から市職員のワークライフバランス向上を目指す取り組みを続けてきた。その一方で、行政課題は一段と複雑化・多様化してきており、それに伴い職員の時間外勤務も増加傾向にあった。総務企画局の坂本 篤史氏は「働き方改革の重要性が高まる中、当市としても業務をより効率化するための取り組みが急務となり、2017年3月に、『川崎市働き方・仕事の進め方改革推進プログラム』を新たに策定しました」と語る。

さらに坂本氏は「業務改革を進める上では、現状の可視化と課題共有が不可欠。これを効果的に行なうために、専門の知見を有する民間企業の力を活かしたいと考え、富士通のフィールド・イノベーションを導入したのです」と説明する。

  • 川崎市 多摩区役所 区長 石本 孝弘氏

    川崎市
    多摩区役所
    区長
    石本 孝弘 氏

  • 川崎市 総務企画局 行政改革マネジメント推進室 課長補佐 坂本 篤史氏

    川崎市
    総務企画局
    行政改革マネジメント推進室
    課長補佐
    坂本 篤史 氏

  • 川崎市 多摩区役所 保健福祉センター 地域みまもり支援センター地域支援担当 課長 鈴木 宣子氏

    川崎市
    多摩区役所
    保健福祉センター
    地域みまもり支援センター地域支援担当
    課長
    鈴木 宣子 氏

経緯

地域みまもり支援センターの目指す姿と現状の間にギャップが存在

活動の対象として選ばれたのは、同市多摩区の「地域みまもり支援センター」である。「市民への直接的なサービス提供をしていると同時に、長時間勤務が大きな課題となっている職場」というのがその理由だ。

同センターの鈴木 宣子氏は「川崎市地域包括ケアシステム推進ビジョンに基づき、住民と一体となり安心して暮らせる地域づくりが当センターのミッションです。一般に地域包括ケアシステムでは高齢者が対象となる場合が多いのですが、川崎市では子どもから高齢者まですべての住民を対象としています」と語る。

児童虐待相談・通告などの緊急を要する対応も多いため、それ以外のフォローすべき案件や地域支援にまで手が廻らない状況が続いていた。同センターでも時間外勤務や現場の疲弊感を解消したかったので、今回の活動には大きな期待を持った。

  • 地域みまもり支援センターの現状 - 緊急性が高い案件の対応により、支援を必要としているフォロー案件と地域支援に手が廻らない状況であった。

プロジェクトを担当したフィールド・イノベータ(以下、FIer)は、関係者へのインタビューや業務可視化に着手。その結果、地域みまもり支援センターの目指す姿とは、ギャップがあることがわかった。たとえば業務量調査では、母子の個別支援が全体の55%を占めており、地域支援の割合は11%であることが判明。また、母子管理票などの記録を分析したところ、「人によって記録の書き方にバラツキがある」などの事実も見えてきた。

多摩区長の石本 孝弘氏は「保健師が間接業務に時間を取られ、支援対象者と直接接する時間を22%しか確保できていないことも驚きでした。しかし、こうして業務の内訳が可視化されたからこそ、本来業務に集中するための具体的な改善点もクリアになってきました。業務の非効率な部分を見直し、市民と接する時間を増やすための大きな足がかりになりました」と語る。

  • 本来業務に注力できない理由を可視化で洗い出す - 母子の個別支援業務が5割以上を占め、さらに間接業務にも多くの時間が費やされていることも明らかになった。

ポイント

保健師全員で想いを共有し、施策を実行

活動を進める中で、職員の意識にも大きな変化が生まれた。同センターでは多くの業務を担っているため、全員で話し合う機会を持つことが難しかった。そこで、今回の取り組みを機に、お互いの率直な想いを語り全員で共有。「自分は十分に貢献できていないと感じた新人保健師が涙し、その姿にトレーナーや係長がもらい泣きする場面もあった」(鈴木氏)という。

こうして想いを共有できたことで、改善に向けた機運は一気に高まった。施策検討のワークショップでも、保健師全員参加で活発な議論を展開。その結果、「時間を捻出する」「支援力を向上する」の2テーマで6施策を導き出した。その1つが、財務会計業務の効率化である。以前は事務系職員が担当していた業務だが、センターの発足に伴い保健師に移管され、負担が増す要因となっていた。そこで、財務会計業務を行っている間は、その他の割り込み業務を禁止する、財務研修を実施する、などの施策を展開。また「人によって異なっていた記録の付け方についても、優れた記録などを参考にルール化。また、長引きがちな会議運営の見直しや、書庫の整理・整頓なども実施しました」と鈴木氏は語る。

さらに注目されるのが、他部門を巻き込んで、協働で年間の活動計画を策定し、地域づくりのスキル向上や地域支援の時間をより多く捻出することを目指した点である。

  • 目標施策体系図

効果と展望

残業時間の削減に成功。市役所全体を巻き込む取り組みへ

取り組みの成果はすでに表れ始めている。たとえば、施策立案からわずか2ヶ月で残業時間を削減。月35時間を超える職員の割合が昨年度に比べ4割も削減できた。また、もう一つの課題である地域支援時間の増加についても、十分な手応えが得られた。

こうした成果は、川崎市が推進する働き方・仕事の進め方改革の取り組みに、大きな弾みを付けた。全庁報告会を行ったところ、鈴木氏は「特に記録の付け方などは、どの区役所にも共通の課題ですので、参考にしたいと他の区役所からの要望が数多くありました」と語る。保健師業務の課題解決には、多摩区だけでなく本庁や他区の関わりが必要だが、現在は、市役所全体で取り組み始めている。

  • 施策のアイデア出し会議 - 可視化結果を基に改善施策を検討。活発な議論を重ねフィールド・イノベーション活動へのモチベーションが高まっていった。

今回の活動を経験したことで、保健師のモチベーションが大きく向上。ある係長は「保健予防業務に注力したいと思っていたので、それを具体化する良いきっかけになりました。今では若い職員も積極的に意見を出し、動いてくれます。私たちの想いを受け止めて活動を支援してくれたFIerにも感謝しています」と語る。また鈴木氏も「『目標や達成度はきちんと数字で示して測る』といったFIerの考え方も大いに勉強になりました」と続ける。

さらに多摩区では、今回得たノウハウを他の課題解決にも活かしていく考えだ。石本氏は今後の展望を「区民サービスのさらなる向上には、仕事環境の改善や職員の意識向上が欠かせません。今回はそのための有効な手法を学べましたので、他部門の業務改革にも積極的に役立てていきたい」と述べた。

川崎市 様
面積 144.35k㎡
人口 1,515,142人(2018年6月1日現在)
世帯数 726,930世帯(2018年6月1日現在)
ホームページ http://www.city.kawasaki.jp/ Open a new window
市概要 150万人以上の人口を有する神奈川県の政令指定都市。京浜工業地帯を中心とする重工業に加え、近年ではライフサイエンスなどの先端産業にも力を入れている。北部地域には生田緑地の豊かな自然が広がっており、美術館などの文化施設も数多く存在する。

[2018年7月掲載]

FIer

今回のプロジェクトを通して

左から、佐藤 敦子、角田 信之

地域みまもり支援センターは、子どもから高齢者までを幅広く支援する全国でも稀なセンターです。最近は児童虐待などの緊急対応に追われ、保健師さんが注力したい健康予防策に時間が避けずにいました。ワークショップではそのジレンマから保健師さんが涙する場面もありました。
FIerが可視化した事実を目にして「せっかくなら楽しみながら改善していこう!」と改革意欲が高まり、わずか3ケ月で残業時間の削減となりました。また、多摩区だけではなく、全庁を巻き込んでの改革活動に広がり、短期間で成果を出した保健師さんの熱意と行動力は素晴らしかったです。このように、市民満足度向上につながるFI実践こそが働き方改革であり、この改革のご支援をさせていただいたことを嬉しく思います。

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