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事例紹介 東亞合成株式会社 様

製造 物流

出荷・物流業務の抜本改革をフィールド・イノベーションで推進 工場内SCMの全体最適化を加速

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東亞合成様では工場内の物流業務の改革にフィールド・イノベーションを活用。フィールド・イノベータが部門間にまたがる課題や緊急充填の原因を可視化し、これを基に部門横断のワークショップで業務プロセスを見直し作業を効率化しました。

【 課題と効果 】
  • 物流業務が煩雑でブラックボックス化しており、業務改善の妨げとなっていた
  • 工場物流システムと基幹系システムとの統合によるスリム化
→
  • 物流業務全体で約7.8時間の削減目標を設定
  • 活動成果を基に、システムのあり方も含めた最適な業務プロセス策定が可能に

工場内物流業務の改革に挑む

東亞合成の主要生産拠点として、ポリマーなどの樹脂素材を製造する坂出工場。グループ会社MTアクアポリマーの主力製品・高分子凝集剤「アロンフロック」は、全国の下水処理施設で使用されており、クリーンな日本の水環境を支える重要な役割を果たしている。

 

東亞合成株式会社 坂出工場 工場長 野村 幸司氏

東亞合成株式会社
坂出工場
工場長
野村 幸司氏

水処理は納入先の設備や地域などによってニーズが異なるため、同工場では1,000種類近い銘柄・荷姿の製品群を用意している。荷姿が多いため物流業務の現場では出荷準備や管理業務が煩雑となっていた。

そこで、同工場は物流業務の改革に着手。工場長の野村 幸司氏は「物流業務を見直すには、現状の業務プロセスの可視化が不可欠であった」と背景を語る。このような状況を改善し、より最適な業務プロセスを実現するのが今回の狙いだ。

業務可視化で現状の課題を抽出

同工場では、富士通のフィールド・イノベーションを適用。野村氏はその理由を「最初は自分たちで始めたのですが、うまくいきませんでした。その頃、当社他拠点のフィールド・イノベーション活動の話を聞き、やってみようと思いました」と説明する。

プロジェクトを担当したフィールド・イノベータ(以下、FIer)は、早速業務フローの作成や仮説課題の設定に着手。同工場の山口 裕幸氏は「FIerから倉庫業務にも範囲を拡げてはどうかという提案を受けました。当初は出荷業務のみに着目していましたが、物流業務全体を効率化するには、倉庫業務も含めて見直しを図るべきと、我々が気付かなかった点に目を向けられたことは、非常にありがたかったですね」と語る。

FIerは、課題領域である「出荷」「計画・緊急充填」「入出庫・在庫管理」の業務可視化を実施。これにより様々な事実が浮かび上がってきた。

東亞合成株式会社 坂出工場 事務課 課長代理 山口 裕幸氏

東亞合成株式会社
坂出工場
事務課 課長代理
山口 裕幸氏

出荷業務では、受注センターから送られてくる伝票のテキストを分析したところ、入力された内容の約3割がシステムの制約で自動的に削除されていたことが判明。その中には配送業者への指示なども含まれるため、同工場ではこれを都度確認し手作業で補完していた。また、計画・緊急充填業務では、顧客の注文に応じて製品の詰め替えやブレンドを行う緊急充填作業の変動率が約77%と大きく、生産計画に沿って実施する計画充填作業を圧迫する要因になっていた。さらに、入出庫・在庫管理業務では、オペレーション業務時間全体の約3割が受注センターとの在庫確認で占められていた。

同工場では、FIerのファシリテーションにより、可視化結果に基づいたワークショップを実施。改善・改革に向けた施策の検討では、本社や受注センターの担当者も一緒に参加して進めていった。

部門横断で効果的な改善施策を導出

四国東亞物流株式会社 坂出出荷チーム 岡 博子氏

四国東亞物流株式会社
坂出出荷チーム
岡 博子氏

ワークショップから導かれた施策としては、まず出荷指示の書き方変更やルール化が挙げられる。文言を簡潔化し要点のみを記載すれば、手作業による補完を最小限に抑えることが可能だ。

受注センターでは、工場での手作業の実態をこの時まで知らなかった。物流業務を担当する四国東亞物流の岡 博子氏は「業務内容や課題などを部門横断で話し合うことで、お互いに発見や気付きがありました。前任者から引き継がれてきた業務には、現状に合わないものも存在します。そうしたものを見直すいい機会にもなりましたね」と振り返る。

日々行われている緊急充填については、作業の平準化施策を推進。山口氏は「緊急充填が多い原因を様々な角度から可視化しようと試みたのですが、決め手となるものが見えてきませんでした。そのような中、FIerさんのすすめで何度もワークショップを繰り返すうちに、従来の仕組みでは翌日出荷分のデータしか処理できず、すべての作業が集中してしまうことが要因であると、ようやく見えてきました」と説明する。

従来の仕組みは20年以上前に構築されたもので、当時はそれで十分業務が回っていた。しかし、製品の種類も出荷量も格段に増加した現在では、現場に負担を強いる要因となっていた。「そこで、受注済みのデータを事前に一覧で確認できるツールを新たに作成。緊急充填の作業を前倒しすることで、平準化を図りました」と山口氏は続ける。

また、在庫管理については、在庫がリアルタイムに把握できないことが原因であった。同工場ではこれまで独自の物流システムを利用してきたが、2018年4月に基幹系システムとの統合が予定されている。そこでこの点については、新システムでの対応を検討中だ。

「基幹系システムとの統合は、当工場にとって非常に大きな出来事。既存の業務プロセスをそのまま持って行くのではなく、一層のスリム化・効率化を図ることが必要です。その点、今回の活動に取り組んだことで、新システム移行に向けた検討もスムーズに進められるようになりました。もしこれが無かったら、とてもうまくはいかなかったでしょうね」と野村氏は語る。

緊急充填の変動が作業の平準化に影響 -顧客からの注文に応じた製品を迅速に出荷するため、日々詰め替えやブレンドを行っている。この「緊急充填」と呼ばれる作業に1日あたり最大10件の差があり、作業の平準化を難しくしていた。(緊急充填作業の変動率77% = 緊急充填作業の差10件 ÷ 1日あたりの全充填作業平均 13件)

部門横断で改善・改革施策を検討 -施策の検討では工場のメンバーだけでなく他部門も参画。お互いの業務や状況を理解することで、効果的な改善・改革施策を生み出すことができた。

工場内SCMの全体最適化を目指して

さらに同工場では、最終的にワークショップで立案した12の施策に基づき、帳票のコピー/FAXの削減や職場内の動線改善、倉庫活用の見直しなど、様々な改善に取り組んでいる。こうした数々の取り組みにより、最終的には約7.8時間/日の工数削減を見込んでいる。緊急充填作業等で徐々に改善が進んでおり、その成果も見え始めている。

「業務の現状や改善効果を定量的な数値で示せるようになったので、本社に対する要望や提案に、説得力が増しました」と野村氏は語る。

さらに見逃せないのが、工場内の改善機運が大きく高まった点だ。「今まで当たり前と感じていた業務に違う方法があるのではと考えるようになりました。『意見を出せば業務は変えられる』という実感を持てたことが、大きな変化ですね」と岡氏は語る。

野村氏は今後の抱負を「工場内SCMの全体最適化が、我々の最終的な目標。FIerから学んだ手法や知見をフル活用していきたい」と語った。



お客様概要プロフィール

東亞合成株式会社 様

本店:東京都港区西新橋1-14-1
坂出工場:香川県坂出市昭和町2丁目4番1号
設立:1942年3月31日
資本金:208億8600万円

URL:http://www.toagosei.co.jp/Open a new window

FIer

今回のプロジェクトを通して

(左から)高島 宗徳、石丸 清三当初、お客様よりご依頼されたのは出荷オペレーションの業務改善でしたが、物流システム更新のお話をお聞きして物流業務の全体最適を意識し範囲を拡張しました。業務フロー作成では ものの流れやデータの流れなど全体を俯瞰した課題を、業務観察では一つ一つの作業手順などの両面から業務課題抽出しました。

施策立案では、物流部門だけではなく別部署の方々にも参画していただき、さまざまなアイデアから施策検討ができました。受注センターとの打ち合わせは、その成果の第一歩だと思います。工場全体の取組みとして更なる成果を期待しております。今後とも営業、SEと連携しながら、お客様の業務改善に繋がるご支援ができればと思います。

【導入事例(PDF版)】

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[2017年12月 公開]

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