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事例紹介 株式会社 いなげや様

流通・サービス 営業・サービス

セルフペイメントシステムの導入効果を先進ICTで可視化 最適な店舗オペレーションの実現に寄与

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約140店舗のスーパーマーケットを展開するいなげや様は、セルフペイメントシステムの効果検証にフィールド・イノベーションを導入。効果を可視化することで、店舗オペレーション改革につなげ、さらに組織横断で改善活動に取り組む体制・風土づくりを展開している。

【 課題と効果 】
  • セルフペイメントシステムの導入効果を測る基準がないため、今後の展開に支障を来していた
  • 設備導入を検討する主幹部門がプロジェクトの段階によって変わることが、改善活動の妨げになっていた
→
  • 成果と改善点を把握することで、効果的な導入・活用が可能に
  • 複数部門の社員が組織横断で一体となって課題解決に取り組める体制を確立

セルフペイメントシステムの導入効果検証が課題に

株式会社 いなげや 情報システム本部 情報システム部 部長 藤野 敏広氏

株式会社 いなげや
情報システム本部
情報システム部
部長
藤野 敏広氏

首都圏の一都三県を中心に、約140店舗のスーパーマーケットを展開するいなげや。同社は、お客様満足の向上に繋がる店舗オペレーション改革に取り組んでいる。

その一つが、2015年より一部店舗に導入した新型セルフペイメントシステム(Self Payment System:以下、SPS)の効果検証だ。SPSでは、商品登録操作を店員が行い、支払い処理を顧客が行う仕組みだ。情報システム部の藤野 敏広氏は「元々このSPSは、レジ精算業務の効率化などを目的に導入したもの。しかし、導入効果を測る明確な基準がなく、他店舗へ展開する際のネックになっていました」と明かす。

これを切り拓く突破口となったのが、富士通のフィールド・イノベーションとの出会いだ。藤野氏は「SPS導入可否判断を行うにしても、まず現場の実情が分からないとどうにもならない。その点、ビデオ映像などを用いて業務実態を可視化する富士通の手法は非常に新鮮でした」と続ける。

先進ICTを駆使した業務可視化を展開

さらに今回の取り組みには、もう一つ別の狙いもあった。それは、組織横断で改善活動に取り組む体制・風土づくりだ。藤野氏は「設備導入などを行う際には、プロジェクトの段階ごとに主幹部門が変わっていきます。すると、途中で改善点などが見つかっても、情報共有や解決を図ることが難しくなります。こうした状況を変えるために、関係者全員で改善に取り組む組織風土を作りたいと考えました」と語る。

プロジェクトを担当したフィールド・イノベータ(以下、FIer)は、早速社員へのインタビューを実施し、「レジ稼動実績調査」「クレーム内容分析」「レジ待ち人数・時間調査」「チェッカー行動分析」「支払機におけるお客様行動分析」の5つの可視化項目を設定した。

ここで大きな威力を発揮したのが、先進ICTを駆使した様々な可視化手法だ。先に触れたビデオ映像に加えて、赤外線でレジ待ち人数を検出する測域センサーや、チェッカーの声掛け内容をデータ化する音声認識技術なども活用し、次々と可視化していった。

これにより、SPSの導入効果や課題が次第に浮かび上がってきた。「SPSでは、通常レジと比較して、約1.2倍の生産性アップが図れていることが分かりました。しかし、導入前の目標は1.5倍でしたので、改善の余地があることも分かりました」と藤野氏は説明する。

レジ待ちの時間や人数については、概ね問題ないことが判明。一方で意外な事実も見つかった。人財開発部の渋谷 靖氏は、「チェッカーは商品の登録だけでなく、レジ袋の要不要やポイントカードの確認なども行います。これらをどういう順番でお客様に伺っていくかが、人によって全く違っていたのです」と語る。

また、他にも、「金銭支払機の操作支援をチェッカーが行っている」「金銭支払機の画面に分かりにくい点がある」「商品を袋詰めするサッカー台までの通路が狭く移動しにくい」など、様々な事実が明らかになった。

同社では可視化結果から、「店舗タイプ別オペレーションの構築」「SPS導入基準の作成」「SPS機能改善」の3点を改善施策として導出。情報システム、人財開発、営業企画の3部門混成チームでワークショップを開催し、改善に向けた取り組みを展開した。

株式会社 いなげや 人事本部 人財開発部 チェッカー教育担当 課長代理 渋谷 靖氏

株式会社 いなげや
人事本部
人財開発部
チェッカー教育担当
課長代理
渋谷 靖氏

先進ICTを活用してレジ業務を可視化 測域センサー、ビデオ、音声認識を活用して、人手では発見できなかったレジ業務の事実を、次々に可視化した。

オペレーション改善と組織間の連携強化に成功

まず店舗タイプ別オペレーションの構築では、現場の店舗スタッフの意見も取り入れつつ、SPSを効果的に運用できる方法を探っていった。「たとえば金銭支払機の操作支援にしても、チェッカーが対応すればいいのではという声もありました。しかし、それによってレジ待ちが発生したのでは、かえってお客様にご迷惑をおかけしてしまう。そうした投げ掛けも行いつつ、店舗タイプに応じたお客様支援係の配置、SPSにおける基本動作の設定などを進めていきました」と渋谷氏。

また、SPSが適しているかどうかを検討するための導入基準についても、現在ガイドラインの作成が鋭意進められている。藤野氏は「今後はこのガイドラインを基に、各店舗へのSPS導入を判断する流れになります。具体的には来店者数や年齢層、お買い上げ点数などのデータを考慮しつつ、関連部門間で協議して決める形ですね。こうしたことが可能になったのも、FIerが詳細な可視化を行ってくれたおかげです」と語る。今回の取り組みを通してSPSの導入効果を明確にできたことで、2017年の経営方針資料にもSPS推進の方針が明記されたとのことだ。

また、もう一つの目的であった、組織横断の改善活動についても、大きな成果が上がっている。「複数部門で知恵を出し合えば、思い切った改革が実現できるという自信を持てるようになりました。現在では今回の3部門以外の部署も巻き込んで、自発的に新たなテーマに取り組む動きも進んでいます」と藤野氏は力強く語る。

電子発注台帳の導入にも可視化を活用

さらに同社では、今回の取り組みと並行して電子発注台帳(以下、EOB)の導入プロジェクトにもフィールド・イノベーションの可視化を活用している。EOBの導入前後で、発注を担当する店舗スタッフの動きを可視化し、EOBの導入効果を検証。そこからさらなる改善に向け課題を整理することで、発注業務を変え、店舗スタッフの動きを変え、店舗オペレーション全体を変えることにつなげるのが狙いだ。

ここでも先進ICTを活用している。FIerによる現場観察に加え、ビーコンとモーションセンサーにより十数人の店舗スタッフの動線を同時に可視化。また、全てのEOB操作ログを画像で自動収集するツール(PCVA)も活用。さらに、そこで収集された2,200枚の画像を、AI(ディープラーニング)ツールで自動分類し履歴を解析。EOBの使われ方をより踏み込んで可視化し、運用面・機能面双方の課題抽出につなげた。

EOBの導入効果とさらなる課題が明らかに

従来は、店舗スタッフが売場で紙の発注台帳に発注数を書き込み、事務所に戻りPCに数量を入力していた。現在は、売場で直接EOBに数量を入力するため、作業効率が上がり発注作業は1日当り22分(18%)短縮。また、発注作業時の売場滞在時間が27分(65%)増加し、お客様と会話したり売場案内をしたりする機会が増えた。

一方、EOBの操作履歴から、商品検索機能が想定よりも多く使われ、作業効率を落としていることが判明した。これは、店舗スタッフが発注作業するときの売場での動線と、EOB画面の表示順が一致していないため、棚を移動する毎に商品検索していることが原因であった。また、事務所では、特売品の発注数量を相談しながら最終調整することに時間が掛かっており、本部からの特売指示の出し方にも改善が必要なことが判明した。

「EOB導入は、店舗のスタッフがお客様応対に専念できる環境を実現する上で、十分に効果があるということを確認できました。しかし、まだ非効率な動きや、EOBに改良の余地があることも事実です。今回、導入効果を数字で確認できたことと、客観的な事実をもとに新たな課題を整理できたことの意義は大きいです」と藤野氏は語る。

今後は可視化で得られた事実をシステムや業務プロセスにも反映し、店舗業務の抜本的な改革に役立てていく。

EOB導入における可視化 先進ICTを活用することで、現場の負荷を最小限におさえつつ、より広く深い調査・可視化が実現した。



お客様概要プロフィール

株式会社 いなげや 様

本社:東京都立川市栄町6-1-1
設立:1948年5月20日
資本金:8,981百万円
URL:http://www.inageya.co.jp/Open a new window

FIer

今回のプロジェクトを通して

(左から)小島 忠幸、橋本 弘明、松田 高弘、佐野 登百康、堀田 悦伸今回のFI活動では、店舗スタッフの接客やお客様の行動等を各種ICT機器により効率的かつ効果的に可視化することができました。ビデオや音声を分析した可視化結果は、現場の臨場感を再現することにも役立ち、活動メンバーの皆様が真剣に可視化結果に見入られていた姿が印象的でした。

また、生産性を上げてお客様満足の向上に力を入れたいというオーナーの方針が、活動メンバーの心に響き、部署の垣根を越えたワークショップの一体感に繋がったと感じました。

本活動を通して、初めての組織横断活動の立ち上げにご協力できたことを大変嬉しく思います。

【導入事例(PDF版)】

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[2017年7月 公開]

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