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事例紹介 浜松市 中区 様

公共 営業・サービス

業務効率化による保健師活動の充実 活動が高く評価され改善ノウハウを市全体へ展開

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静岡県浜松市では、児童虐待やDVなどによる要保護・要支援児童が増加し、母子を健康面からささえる保健師の重要性が高まっています。
一方で、保健師は人員不足や事務作業の増大で保健指導に十分な時間を取れていませんでした。そこで業務を効率化することで、保健指導に充てる時間を捻出し、指導力を向上させました。そのノウハウを市全体に展開しています。

【 課題と効果 】
  • 業務を効率化し、保健指導にあてる時間を捻出
  • 保健師各自の業務スキルや指導力を向上させる
→
  • 母子への保健指導の指導計画達成率が40%から79%に改善
  • 指導記録のルール化、進捗状況の共有などにより保健指導の質が向上

本来業務である保健指導に時間が取れない

浜松市 会計管理者(当時、中区区長) 島野 哲幸氏

浜松市
会計管理者
(当時、中区区長)
島野 哲幸氏

静岡県浜松市中区は、面積は全市の3%ながら、人口の30%にあたる約23万人が暮らす産業都市だ。近年、児童虐待やDVなどによる要保護・要支援児童が年々増加し社会問題となっているが、中区も同様の傾向にあった。このため、子供の発育・栄養・心理をケアし、母子を健康面から支える保健師の重要性が高まっている。

しかし同区の保健師は、人員不足や事務作業の増大により、保健指導など本来の業務に十分な時間を充てられていなかった。

「区長としても、保健師は頑張っているが成果に結びついていないことで、ストレスが高まっているのを認識していました。保健師というスペシャリストが業務改善の手法を習得することで、市民サービスをさらに向上させたいと思い、フィールド・イノベーションの導入を決めました」と、当時の区長 島野 哲幸氏は語る。

「時間の捻出」と「指導力の向上」の課題解決に取り組む

フィールド・イノベータ(FIer:エフアイヤー)はまず、保健師に業務に対する想いや課題などに関するインタビューを実施、問題の構造化を行なった。さらにその問題が事実であるかを確認するために、事務所のレイアウトや保健師の動線を確認したり、保健指導記録650件を丹念に読み込んで、母子への指導計画と実際の訪問状況を調査した。これらの可視化結果により、収納物の整理不足や動線の非効率さ、指導計画の不明解さ、記録作成ルールの曖昧さなどが浮き彫りになった。「結果を見て、全員で課題を出し合った際には、模造紙が書き込みで真っ黒に埋まるほどで、本当に課題だらけの職場なのだと、目で見て実感しました」と現場リーダーを務めた保健師の石原 美奈子氏は語る。

浜松市 保健師 石原 美奈子氏

浜松市
保健師
石原 美奈子氏

そこで、業務環境を整備して業務効率化による「時間の捻出」と、作り出した時間を基に保健師のスキルアップを図る「指導力の向上」の2つの課題解決に目標を定め、保健指導の改善に取り組んだ。

■訪問計画が不明確で、訪問も遅延 過去の保健指導記録の分析から課題が浮かび上がってきた。

4つのテーマ別にチームを編成し施策を実行

保健師は可視化結果を踏まえ、浜松市の健康増進計画である「健康はままつ21」に基づき、母子の健康づくり推進の方向性を議論した。その上で「時間の捻出」を実現するため、「1 業務環境を整備する」「2 事業効率を上げる」の2テーマを、「指導力の向上」を実現するために「3 指導記録の質を向上する」「4 指導を適正にコントロールする」の2テーマをそれぞれ設定。テーマ別にチームを編成して具体的な施策を立案、実行に移した。

■活動で作成した「目標施策体系図」 「保健指導の量と質の向上」を目標に4つのテーマで施策を実行した。

まず「1 業務環境を整備する」については、不用品を廃棄し、収納方法をルール化したことにより探しものに費やす時間が激減した。「この環境整備を最初にやって成果を実感できたのが大きかったです。それまでは正直、活動に対してやらされ感もあったのですが、以降は自分たちで目標を設定し、能動的に改善に取り組めるようになりました」と石原氏は言う。

「2 事業効率を上げる」は、毎月の幼児健診がターゲットになった。従来、健診で使う備品の収納倉庫が遠くにあり、出し入れに時間がかかっていた。そこで不要物整理により、健診場所に近い倉庫に備品を移動することで準備と片付けの工数を削減した。

「3 指導記録の質を向上する」では、保健師ごとにバラバラだったファイリング方法や書き方をルール化。さらに業務品質を評価する「スキルチェックシート」も作成し、毎月1回セルフチェックするようにした。「良い記録を見本にして、記録の質が向上するようアドバイスし合いました。また、評価結果をPC上で自動的にグラフ表示し、自分達の成長を可視化したので、モチベーションが大きく高まりました」と、本テーマのリーダーを務めた保健師の毛利 育子氏は語る。

浜松市 保健師 毛利 育子氏

浜松市
保健師
毛利 育子氏

「4 指導を適正にコントロールする」では、各保健師の担当件数や進捗状況の月次チェックを開始。また、各人の担当数や業務を時間・難易度で点数化することで、特定の人に業務が偏らず平準化できるようになった。

指導計画達成率が2倍に、めざましい成果を挙げる

こうした取り組みの結果、保健指導633回分にあたる年間1,266時間を創出。指導計画達成率(KGI)が、活動開始前の2016年3月では40%であったが2017年3月には79%に向上した。目標を上回る2倍伸張という成果を挙げ、FIer退去後も保健師だけで改善活動を継続している。 「計画的に保健指導が行えるようになったことで、タイムリーで効果的な支援が可能となり、本来の母子保健活動になったと思います」と、石原氏・毛利氏ともに満足げな笑顔を見せる。

今回の活動について、島野氏は「正直、フィールド・イノベーション導入前は、具体的な成果よりも、皆で一体になって取り組めば物事は変えられる、というマインドが育てば良いと思っていました。ところが実際は、マインドだけでなく、想像以上に早く目に見える成果が出て凄いと感じています」と語る。

■指導計画の達成率 一連の活動は目標を大きく上回る成果につながった。

フィールド・イノベーションを全庁展開し浜松市の文化に

浜松市 総務部政策法務課 主任 中村 雅臣氏

浜松市
総務部政策法務課
主任
中村 雅臣氏

総務部 政策法務課の中村氏も「定期的に報告会に参加していましたが、活動が進むにつれ、保健師一人ひとりに『自ら主体的にやっていく』という意識の変革が起きているのがはっきりと分かりました。報告会でも、自分達が行っていることを、自信を持って発信するようになったのが印象的でした」と納得の表情だ。

浜松市の副市長や総務部長も「説得力・汎用性があり、どこの部署でもこの基準で改善を行えば成果が出るのではないか」と高く評価。これを受けて、2016年9月には同市全職場の管理職員170人を集めて改善報告会を実施、取り組みを市全体に展開していくことが宣言された。すでに中区の区民生活課において、窓口での待ち時間を削減する改善活動が行なわれるなど着実に成果を挙げている。

「重要なのは、上から押しつけるのではなく、今回のように自発的に施策を立案し実行できるようにしていくこと。そういう人材を育てつつ、全庁への展開を推進していきます」と中村氏は強調。島野氏も「今後、フィールド・イノベーションをさらに浸透させ浜松市の文化として定着させたい」と意気込みを語った。

お客様概要プロフィール

浜松市 様

面積:1,558.06km2
人口:806,407人(2017年4月1日現在)
世帯数:331,642世帯(2017年4月1日現在)
URL:https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jpOpen a new window

FIer

今回のプロジェクトを通して

(左から)樽見 寧、佐藤 敦子、石川 真之、松島 哲也母子への健康づくりに対する保健師さんの思いは熱く、意見交換会になるとアイディアが途切れず出て、建設的な議論が繰り広げられました。
施策の承認会議終了後、直ちに施策を開始したスピード感と実行力には驚かされました。また、ベテラン、中堅、若手をバランス良く組み合わせたチームにおいて、各自の能力を存分に発揮し、切磋琢磨しあい改革を進めており、FIerが訪問する度に着実に成果を挙げていました。
保健指導の量と質の向上という高い理念の活動ができ、保健師さんのやりがいも高まり、多くの母子を救う活動を支援させていただいたことを嬉しく思います。

【導入事例(PDF版)】

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[2017年5月 公開]

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