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事例紹介 株式会社酉島製作所 様

製造 生産

製品の納期遵守率の改善を目指し 業務プロセスとICTの両輪で改革

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産業用ポンプのリーディング・カンパニーである株式会社酉島製作所様は、SAPを主とした基幹システムの新規構築を機に、フィールド・イノベーションを導入。情報システム部門、生産管理部門が一体となって、業務プロセス、システム双方の視点から課題を抽出し改革に取り組むことで、納期遵守率を90%まで改善されました。

【 課題と効果 】
  • 製品の納期遵守率を向上させること
  • 各種の業務情報を効率的に活用できる環境を実現すること 
→
  • 業務とICTの両面で改善に取り組み、納期遵守率を54%→90%へ飛躍的に向上
  • 総合検索システムの導入により、受注/生産情報の一元的な活用が可能に

システムと現場の納期遵守率に大きな乖離

株式会社酉島製作所 取締役 常務執行役員 生産本部 本部長 吉川 宣行氏

株式会社酉島製作所
取締役
常務執行役員
生産本部 本部長
吉川 宣行氏

産業用ポンプのリーディング・カンパニーとして、グローバルにビジネスを展開する酉島製作所。今回同社では、製品の納期遵守率の向上に取組んだ。そのきっかけが、2013年の新基幹システム導入だ。同社取締役の吉川 宣行氏は「SAPのビッグバン導入で現場の混乱が予想されました。そこで"金銭の赤字は出しても信用の赤字は出すな"の社是に従い、一時的な受注制限などの対策をとりましたが、翌年になっても新システムの運用が定着しませんでした」と明かす。
「特に受注から納品に至る多様な情報を可視化して改善のPDCAを回す目的で『Viz System』を導入したものの、システムと現場の情報に乖離が生じ活用が進みませんでした」と語るのは、業務企画部長の田崎 拓章氏。たとえばシステム上の納期遵守率が85%なのに対し、現場の認識は54%程度に留まっていた。

業務とシステムの両方に問題点を見出す

株式会社酉島製作所 業務企画部長 田崎 拓章氏

株式会社酉島製作所
業務企画部長
田崎 拓章氏

同社ではこのような問題を解決すべく、富士通のフィールド・イノベーションを導入し、業務プロセスとICTの両面で改善を図った。田崎氏は「システムを良くしても、業務運用が伴わないのでは十分な効果は上げられません。そこで今回は、生産管理部門と情報システム部門が協同で活動に取り組みました」と説明する。
プロジェクトを担当したフィールド・イノベータ(以下、FIer)は、業務運用やシステムだけでなく、納期遵守率などの定義自体にも部門や担当者間で齟齬があるのではと仮説を立てた。そして、「本来管理したいデータは何か」「現場の集計作業の業務フローはどうなっているか」「製造業務を管理するデータの実態はどうか」の3つの観点で事実可視化を進めた。

■酉島製作所の新業務システム体系 「Viz System」「総合検索システム」は、基幹システムのSAPに連携している。

その結果、納期遵守率の算定元となる工程着手・完了などの定義が曖昧な上に、工程・機種・担当によって集計方法が異なる、データ項目不足/未入力があるといったことが判明。また、実業務では6種類の計画日を管理しているにも関わらず、システムでは2種類しか管理していないなど、データの整合性が取れていないことも明らかになった。
当時、生産管理部長を務めていた大家 満彦氏は「システムのデータを信用できないので、担当者が直接現場に行って進捗を確認したり、Excelを駆使して力技で生産管理を廻していました」と振り返る。

株式会社九州トリシマ 工場長 (元 酉島製作所株式会社 生産本部 生産管理部長) 大家 満彦氏

株式会社九州トリシマ
工場長(元 株式会社酉島製作所 生産本部 生産管理部長)
大家 満彦氏

株式会社酉島製作所 情報システム室 企画・開発課長 冨田 宏仁氏

株式会社酉島製作所
情報システム室
企画・開発課長
冨田 宏仁氏

FIerによる可視化結果は、他の活動メンバーにも新たな気付きを与えた。「従来の改善活動では最終結果しか見えなかったので、個々の事象を関連付けて『なぜそうなるのか』を分析するフィールド・イノベーションの手法は非常に新鮮でした。データの表現方法や指標の立て方なども参考になりました」と語るのは、情報システム室の冨田 宏仁氏。生産管理部でシステム関連を中心に担当している大畠 正誉氏も「FIerによる可視化結果を見れば、どのような取り組みが何につながるのかが明確に分かります。すると、どんなシステムを作らないといけないかが見えてきます」と続ける。

受注から製造の全プロセスで改善活動を展開

明らかになった課題を基に、同社では具体的な改善活動に着手。生産管理部門と情報システム部門が合同でワークショップを開催し、施策の検討を進めた。その結果、「設計納期管理」「受注納期設定」「計画変更・実績情報の一括管理」というテーマで、業務プロセスとシステムを改善することを決定。また、「納期遵守率80%達成」というKGI(注釈)も定めた。
「まず設計納期管理については、部品等の手配完了の定義を明確化することで、確実な設計納期管理を目指しました。従来はこの部分が曖昧でした」と田崎氏は語る。 受注納期設定については、各製品の標準製造リードタイムに即した受注が行えるように改善。大家氏は「たとえば、通常製造に100日間掛かるポンプを70日で納めるとしたら、その情報をあらかじめ生産管理側にも伝える必要があります。そこで、製造開始前に関係者で納期をすり合わせる仕組みを作ると同時に、標準納期か特急納期かをシステム上でも判断できるようにしました」と説明する。

さらに計画変更・実績情報の一括管理については、素材・加工計画や工程管理を行うための帳票作成に挑戦。ここでは、計画業務のベースとなる部門ごとの負荷の算出方法についても、改めてメスを入れた。大畠氏は「納期遵守のためには、各工程の負荷を正確に知ることが必要。そこで従来は工数が明確化されていなかった作業も、統計や実績から負荷を割り出して、より精度の高い予測が行えるようにしました」と説明する。
注釈:KGI=Key Goal Indicator(重要目標達成指標)

株式会社酉島製作所 生産管理部 生産技術一課 生産技術グループ 大畠 正誉氏

株式会社酉島製作所
生産管理部 生産技術一課
生産技術グループ
大畠 正誉氏

納期遵守率の改善と現場の意識改革に成功

改善活動の成果は着々と現れている。業務プロセスとシステムの両面で改善を進めたことで、システムに正確なデータが集まらない、その結果現場の活用が進まないという悪循環は解消。田崎氏は「システムと現場のデータに乖離がなくなり、納期遵守率も約90%にまで向上しています。Viz Systemも、本来の役割を果たせるようになりました。現在は、『総合検索システム』という新システムも構築・運用中です」と田崎氏は胸を張る。
冨田氏は「今まではそれぞれの画面を使い分けなくてはなりませんでしたが、総合検索システムが使えるようになって非常に便利になったと現場からも好評です。担当者が自分でExcelを駆使することも減り、より効率的に業務が行えるようになっています」と語る。
もう一つ大きいのが、現場の意識改革だ。「生産本部では、本部長以下各工程の責任者が毎日集まって、管理帳票を基に現在の状況を話し合うようになりました。こうした動きは設計・調達・営業部門にも波及し、全社一丸で納期遵守を目指す機運がさらに高まっています」と大家氏は力強く語る。
「目前に納期が迫る中で、自ら業務を分析して改善を図るのはハードルが高い。その点、FIerの支援で大きな成果を上げられました。今後は、IoTへの対応なども大きな課題ですので、そうした面でも力を借りたいですね」と吉川氏は展望を語った。

■大幅に改善された納期遵守率 生産管理部門と情報システム部門が一体となって改善に取り組み、納期遵守率は約90%に向上。システムと現場のデータに乖離がなくなったことで、必要な情報をタイムリーに活用できるようになった。

お客様概要プロフィール

株式会社酉島製作所 様

本社:大阪府高槻市宮田町1-1-8
設立:1919年8月1日
資本金:15億9300万円
URL:http://www.torishima.co.jp/Open a new window

FIer

今回のプロジェクトを通して

左から、日座 徹、原 幸男、渡辺 正規"成功の鍵"は、生産管理部門、情報システム部門の皆様が一丸となって改革に取り組まれたことだと実感しています。
営業、設計、調達、製造部門が各現場の視点で最良のパフォーマンスを発揮しようとされていたことに加え、活動を通じて全体の業務プロセスを明確にし、システムで一括管理したことによって、生産全体の統制が得られ、納期遵守率向上という成果に繋がったのだと思います。
活動オーナーである吉川常務におかれましては定例会、検討会に毎回ご出席され、活動の指針、スピード、目標値を毅然と指示して頂き、活動のベクトルがぶれることなく加速と定着が進んだと思います。
また、当社営業、SEも活動に参加させて頂き、導入システムをより有効にご活用頂くために富士通全体としてのご支援ができたと思っております。
現在も全社活動として取組みを継続されているとのことですので、更なる成果を期待しております。

【導入事例(PDF版)】

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[2017年3月 公開]

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