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事例紹介 株式会社ジェイアール東海高島屋 様

流通・サービス 物流

組織の「際(きわ)」に潜む問題をあぶり出す 部門横断でギフト配送業務を改革

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JR名古屋駅のランドマークとして、年間約3,800万人もの買物客を集めるジェイアール名古屋タカシマヤの運営を手がけるジェイアール東海高島屋様では、中元・歳暮の繁忙期におけるギフト配送業務の改革を実施。フィールド・イノベーションを活用し、科学的・定量的な観点からの改善を関連組織が一体となって展開することで、事前の目標値に近い成果を上げています。

【 課題と効果 】
  • 複数部門にまたがるギフト配送業務の効率化
  • 業務負担軽減とコスト削減
→
  • 売場・物流センターが一体で改善に取り組み効率的な業務プロセスを実現
  • 社員の時間外勤務を約24%、繁忙期のアルバイト延べ人員数を約8%削減

ギフト配送業務の効率化を目指して

株式会社ジェイアール東海高島屋 取締役総務本部長 兼 人事部長 谷津 剛也氏

株式会社
ジェイアール東海高島屋
取締役総務本部長
兼 人事部長
谷津 剛也氏

JR名古屋駅のランドマークとして、年間約3,800万人もの買物客を集めるジェイアール名古屋タカシマヤ。2017年4月には新商業施設『タカシマヤ ゲートタワーモール』をオープンするなど、駅立地を活かして発展を続けている。
その運営を手がけるジェイアール東海高島屋では、今回、中元・歳暮の繁忙期におけるギフト配送業務の改革を実施した。同社取締役の谷津 剛也氏は「当社では、業務の効率化を進めていますが、今回はそれをさらにもう一歩踏み込み、仕事の仕組みややり方の見直しにまでつなげたかった。その象徴的な事例として繁忙期の効率的かつ迅速な運営が要求される、中元・歳暮期のギフト配送業務に注目しました」と説明する。

問題の本質は組織間の「際」にあり

中元・歳暮期には、平常時の約2~5倍に業務量が増え、売場と、ジェイアール東海物流株式会社が業務受託する物流センターの間でやりとりされる伝票も大幅に増加する。このため細かい事務的なミスやその確認などで、作業が滞ることがあった。「ギフトは、お客様の先にお届け先様もいらっしゃいますので、正確さや迅速さが求められます。そこで、富士通のフィールド・イノベーションを活用し、科学的・定量的な観点から改善を図りたいと考えました」と谷津氏は語る。

フィールド・イノベータ(以下、FIer)は関係者インタビューから、非効率の原因は当初想定していた物流センター内部の作業以上に、物流センターと売場との間『際』に存在しているのではないかと考えた。総務部の米澤 靖浩氏は「この視点は非常に新鮮でした。これまでも各組織内での改善は行ってきましたが、それをつなぎ合わせて考えるアプローチまではなかった。新しい改善の糸口が掴めそうだと感じました」と振り返る。
「『際』の問題」の表出を中心にFIerが実施した事実可視化から、これを裏付ける様々な事実が見えてきた。たとえば、売場の送付先マスタ不備やルール周知不足などが、物流センターでのイレギュラー対応の要因となっていること。売場ではそうした物流業務への影響を把握できていないこと。百貨店の繁忙期終了後の反省会では、物流センター側の改善要望が的確に伝わっていないことなどが判明した。そこで、「イレギュラー作業の削減」と「作業プロセスの改善」の2点を活動テーマに決定。また委託側の百貨店、受託側の物流センターの双方がメリットを享受できるよう、「社員の時間外勤務を20%削減」「繁忙期のアルバイト延べ人員数を10%削減」というKGI(注釈)も定められた。

株式会社ジェイアール東海高島屋 総務部 総務グループ グループマネージャー 米澤 靖浩氏

株式会社
ジェイアール東海高島屋
総務部 総務グループ
グループマネージャー
米澤 靖浩氏

ジェイアール東海物流株式会社 名古屋流通センター 営業三科長 木村 卓哉氏

ジェイアール東海物流株式会社
名古屋流通センター
営業三科長
木村 卓哉氏

「売場からの問い合わせやマスタ修正件数などのデータを詳しく分析することで、業務実態が正確に把握できたのには驚きました。社内だけの取り組みでは、とてもここまで緻密な分析は行えません。これによって、本来業務以外に多くの負担が生じていることが、具体的に数値で分かりました。」と米澤氏は語る。
物流センター業務を担当するジェイアール東海物流の木村 卓哉氏も「組織間で情報をスムーズに伝え合う仕組みがなかったために、一本の線となって流れるべき業務が分断されている現状がよく理解できました。一方で、組織内部では各々出来る限りの改善に取り組んできたことが証明され、大きな励みになりました」と続ける。
注釈:KGI=Key Goal Indicator(重要目標達成指標)

組織横断でアイデアを出し合い業務改革を推進

同百貨店では、こうした「際」の問題を打破すべく、各部門の現場責任者を集めてワークショップを実施。このように組織横断で課題解決に取り組むのは、同百貨店では初の試みであった。

「ワークショップの様子」 課題解決に向けたワークショップには、売場、外商部、物流グループ、物流センター、情報システム部門など関連組織の責任者が一堂に集結。お互いの事情などを率直に話し合うことで、具体的な改善策を探り出していった。

「メンバーはそれぞれ立場が異なりますから、最初は意見が割れるのではという懸念もありました。しかし実際には、極めて建設的で前向きな議論が行えましたね。業務内容やそれぞれの事情などを率直に話し合うことで、相互理解も深まり改善に向けたアイデアもどんどん生まれてきました」と米澤氏は振り返る。
イレギュラー作業の削減のワークショップでは、売場・物流センター間の連絡手段を電話からメールに改めてお互いの都合の良い時間に処理できるようにする、どうしても売場から電話連絡が必要な場合は特定の担当者が行うなどの改善策を検討した。谷津氏は「それまで売場・物流センター間ではメールのやりとりができなかったのです。これはすぐに改善すべきだと思いました。そこで社内に働きかけ、真っ先に対応しました」と振り返る。更に重要な施策として、繁忙期前に売場・物流センターを中心とする担当者の「実務連絡会」を新設。これにより課題・問題抽出~改善の恒久的なPDCAの仕組みができた。
また、作業プロセスの改善については、伝票処理の標準化とムダ撲滅を徹底的に実施。「たとえば、他の物流センターに商品配送依頼を行う際の書類から不要な項目を削除したり、従来は配送伝票上に枠で囲っていた注意書きを、下線に改めたりといった具合です。一つひとつは小さなことですが、繁忙期は物量が多いだけにその積み重ねが大きく効いてきます」と木村氏は説明する。

事前の目標をほぼ達成。組織間のリレーションも向上

ワークショップで出たアイデアを基に施策を実行した結果、社員の時間外労働を約24%削減と、KGIを超える数値を達成。アルバイト延べ人員数も約8%削減と、目標値に近い成果を上げることができた。さらに売場と物流センター間のリレーションが大きく向上した。「真の業務改革を実現するには、関連部門が一体となって全体最適を目指さなくてはなりません。今回の活動は、そのためのいいきっかけとなりました」と米澤氏は語る。
同百貨店では、今回の経験を今後も様々な分野で活かしていく考えだ。谷津氏は「ビジネス規模が拡大すると分業化や専門化が進みます。どんな業務にも最初は合理的な理由や目的があるものですが、組織を取り巻く環境の変化に気づかずにいると作業自体が目的化しかねません。そうした中で『際』の問題も生じます。そう考えると、今回のフィールド・イノベーションのノウハウは、組織間で行われるあらゆる仕事に応用できるので、今後の改善にも活かしていきたい」と語った。

「事前の目標値をほぼクリア」 関連組織が一体となって改善施策を展開したことで、社員の時間外勤務は目標値を超える24%の削減。アルバイト延べ人員数は、目標に迫る8%削減。

お客様概要プロフィール

株式会社ジェイアール東海高島屋 様

本社:名古屋市中村区名駅1-1-4
設立:1992年12月25日
資本金:100億円
URL:http://www.jr-takashimaya.co.jp/Open a new window

FIer

今回のプロジェクトを通して

左から米沢 祥二、山喜多 加奈子、兵庫 康之物流センター内の作業は、すでに高レベルで改善がなされていることがわかったため、 手付かずであった組織間の「際」の問題に焦点を当てることにしました。
そしてこの「際」の問題解決には、委託会社と受託会社、売場と物流センターという 異なる立場のメンバーがいかに一体となり取り組むことができるか、が重要なポイントでした。
組織横断のワークショップでは進め方を工夫し臨みましたが、全員の積極的な討議から 次々と改善策が生まれたときは感動的で、また「チームワークを大切にする文化」が感じられ強く印象に残っています。
今後の活動継続による更なる改善・改革、そして会社全体の「際」の問題解決に繋がることを期待しております。

【導入事例(PDF版)】

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[2017年2月 公開]

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