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事例紹介 中央大学 様

教育 営業・サービス

「行動する職員」「行動する組織」の実現に向けて全学部の事務室業務を改革

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首都圏の有力私大として知られる中央大学様では、学部事務室の業務改革を目指して富士通のフィールド・イノベーションを導入しました。本プロジェクトには全学部事務室および情報環境整備センター事務部(以下、ITセンター)の担当者が組織の枠を越えて参画し、フィールド・イノベータ(以下、FIer)と共に課題領域の絞り込みや改善施策を検討。将来的な組織統合も見据えた改革提案をとりまとめると同時に、職員のモチベーション向上にも成功しています。

【 課題と効果 】
  • 将来的な組織統合を見据えた学部事務の効率化
  • 職員が主体的に問題解決に取り組む意識や組織風土の改革

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  • 可視化による改善施策が全学部に受け入れられ、全体の改革につながる道筋をつくった
  • 学部の垣根を越えてチームで業務改革に取り組んだことで職員のモチベーションが大きく向上し、主体性や変革意識が醸成された

学部事務の改革に着手

「組織のあり方を根本から見直せ」

1885年に英吉利(イギリス)法律学校として創設以来、一貫して実学教育の伝統を継承してきた中央大学。現在では6学部・大学院8研究科と3専門職大学院、4附属高校、2附属中学を擁する総合大学に発展。「實地應用ノ素ヲ養フ」という建学の精神は今も、ユニバーシティ・メッセージとなる「行動する知性。-Knowledge into Action-」に受け継がれています。
同大学において課題となっていたのが、大学運営を担う学部事務室の業務改革でした。学事部長 眞島 和已氏は「1978年の多摩キャンパス設置に伴い、各学部の事務室は、それぞれの学部棟に移転しました。それ以来、組織の縦割りが徐々に進み、各学部事務室で同じような業務が行われている、他学部の学生に対して適切なサービスが提供できていないなど、非効率な面が目に付くようになっていたのです」と振り返ります。

学事部長 眞島 和已氏の写真

学事部長
眞島 和已氏

現在同大学では、「教育組織の改編・創設」「キャンパス整備」「グローバル戦略」「スポーツ振興事業」「総合学園構想」の5点を柱とする中長期事業計画「Chuo Vision 2025」を展開中です。この大学全体の取り組みと歩調を合わせて、学部事務室も大きな転換期を迎えています。
「前年と同じ業務を繰り返すだけでは、職員のパフォーマンスはむしろ下がってしまう。今後は前例踏襲主義ではなく、職員自身が連携し主体的に問題解決に取り組んでいけるような意識や組織風土が求められます。そこで今回、将来的な学部事務室の統合も見据えた可能性と課題を探るためフィールド・イノベーション活動に踏み切りました」と眞島氏は語ります。

全学部が一堂に会し課題領域を議論

「業務のどこに問題が潜んでいるのか」をあぶりだす

本プロジェクトは大学全体の学部事務改革が目的であるため、参加メンバーは6学部全ての学部事務室およびITセンターから集められました。

フィールド・イノベーションの活動領域 将来の組織統合も視野に入れた課題と可能性を探るために、6学部全ての学部事務室およびITセンターからメンバーが集められた。
将来の組織統合も視野に入れた課題と可能性を探るために、6学部全ての学部事務室およびITセンターからメンバーが集められた。

法学部事務室 副課長 五島 功二氏の写真

法学部事務室
副課長
五島 功二氏

参加したメンバーも、それぞれに課題を抱えていました。リーダーを務めた法学部事務室 副課長 五島 功二氏は「自学部内だけで業務プロセスを完結させれば、仕事はやりやすいかもしれません。しかし、大学全体として見た場合には、非効率な点が多く存在します。私が担当する学務業務でも改善が必要だと感じていましたので、大きな期待を持って活動に臨みましたね」と語ります。

文学部事務室 熊谷 穣氏の写真

文学部事務室
熊谷 穣氏

プロジェクトを担当したFIerは、まず課題領域を感知するための活動に着手。ブレインストーミングの場を設け、メンバーへのインタビューから『問題点ネットワーク』を作成。さらに実施の難易度や効果も見極めた上で、具体的な検討課題の絞り込みを行っていきました。「それぞれに年齢層も異なる各学部事務室の担当者が、一堂に会して議論できたのはとても良かった。今までは地理的に離れているので、なかなか腹を割って話をする場も持てなかったのですが、一気に風通しが良くなった印象でした」と語るのは、文学部事務室の熊谷 穣氏。

理工学部事務室 吉岡 達也氏の写真

理工学部事務室
吉岡 達也氏

また、理工学部事務室の吉岡 達也氏も「"ルーティンワークに追われ残業が増えるのは、業務の背景を知らないまま引き継がれてきたからではないか"、自分以外も同様に感じていたことが見えたのは大きかったですね」と続けます。

4つの分野で可視化を実施

ムダを廃して「学生により最適なサービスを」

様々な議論を経て、最終的に検討課題を「学生窓口業務の均一化」「教務業務の共通化」「学務業務の共通化」「事務組織の統合」の4つに絞り、具体的な改善施策を探るための可視化作業に着手しました。
「まず窓口業務については、学部ごとの対応の違いを探るために、FIerによる現場観察や職員アンケートを実施。業務フローの洗い出しやデータ分析、学部ごとの内容比較などを行って、実態を明らかにしていきました」と五島氏は説明します。

ワークショップ討議により4つの検討課題を策定 課題感知のフェーズでは、インタビューや問題点ネットワークの作成、ワークショップでの議論などを通してメンバーの意識を共有。4つの検討課題を設定した。
課題感知のフェーズでは、インタビューや問題点ネットワークの作成、ワークショップでの議論などを通してメンバーの意識を共有。4つの検討課題を設定した。

可視化によって判明した事実は、メンバーにも多くの気付きをもたらしました。熊谷氏は「たとえば繁忙期の残業要因であるデータ設定、書類チェックなどの作業は、各学部でかなりの重複が見られました。また、さまざまな議案を教授会に諮るためのスケジュールも学部ごとにバラバラで、効率的に業務を進めるための情報共有も不十分でした」と説明します。
さらに、均質な窓口対応を行うための指針が存在しない、本来の専門領域ではない業務が学部事務室の負担を増大させているなど、多くの事実が見えてきました。これらの事実を元に、メンバーは改善施策を検討。優先順位なども考えた上で、全部で14項目にわたる施策を導き出しました。

14の施策案が導き出され更に優先度も検討 他大学視察で得られた知見も活かし、4つの検討課題それぞれについてさらに深掘りを実施。その結果、全14項目にわたる具体的な改善施策が導き出された。
他大学視察で得られた知見も活かし、4つの検討課題それぞれについてさらに深掘りを実施。その結果、全14項目にわたる具体的な改善施策が導き出された。

各業務担当の選出方法を見直し

「各学部の重複業務を排除せよ」

「教務業務の共通化」では、具体的に教務グループにおける重複業務の統合とITセンターへの移管を検討することにしました。
授業、定期試験、学籍管理の3業務では、従来はそれぞれの業務に対して全学部一律で担当者を配置していました。例えば文系5学部が置かれている多摩キャンパスでは、各業務のすべてのプロセスにおいて常に学部別に計5人の担当者がいました。今回の改善施策ではこのような状況を改め、学部を越えて連携を図り、作業量に応じて専従担当者を配置することを提言。また、従来は各学部がそれぞれ実施し、多くの時間と工数を要していた履修登録用授業データの作成作業なども、情報処理の専門家であるITセンターに専従チームを置いて統合することを提案しました。
「卒業生への証明書発行や在学生の各種届出は、現状は自学部の事務室でのみ受付や処理を行っています。しかし、可視化作業を行い、将来的なキャンパス移転や事務室統合を考えると、より利便性を高め、柔軟な体制があるべきという意識をメンバー全員が強く持つようになりました。現在、これらについても改善に向けた話し合いを進めています」と吉岡氏は明かします。

施策案:一律選出の慣習から脱して仕事量に応じた専従担当制へ 従来の各学部一律選出型から、仕事量に応じた専従担当制への転換を提言。より効率的な業務環境の実現を目指した。
従来の各学部一律選出型から、仕事量に応じた専従担当制への転換を提言。より効率的な業務環境の実現を目指した。

専門部署への業務移管を提言

組織統合に向け「既成概念を打ち破れ」

また「学務業務の共通化」では、入学センターと広報室を統合した「入試広報センター(仮称)」の設立と各学部で実施している入試広報業務の同センターへの移管、学内PC教室の運用改善、学務グループ間における庶務業務の効率化などの改善施策もまとめられました。
「従来は各学部がそれぞれに入試広報戦略を練っていましたが、受験生のさらなる獲得を図る上では、大学全体としての戦略とアピールが必要です。そのためには、専門組織となる入試広報センター(仮称)への業務移管が望まれます。入試広報戦略はこれまで各学部の専権事項という意識もありましたが、『組織統合に向けて既成概念を打破せよ』という眞島部長の指示もありましたので、あえてこのような大胆な提言に踏み切りました」と五島氏は説明します。

同様に各学部で管理運営しているPC教室についても、ITセンターに管理業務を一括集中することによって、迅速なPCトラブル対応を可能とし、学生は所属学部を問わずどの学部のPC教室も共用できる環境を構築。また、複数学部で講義を持つ教員の通勤交通費処理についても、各学部で個別に確認していた休講情報を人事課にも公開の上、処理を集約させ、業務の迅速化を図ることを提案しました。
こうした改善策を取りまとめる上で大きな役割を果たしたのが、メンバーが自主的に実施した他大学への視察です。「オブザーバーからのアドバイスもあり、関西圏の大学に伺って現場を見せていただきました。いろいろと刺激を受けたことはもちろん、メンバー間の結束も高まりましたね」と熊谷氏。吉岡氏も「関西エリアではラーニング・コモンズ(注1)の設置が進んでいるなど、本学の今後の施策に活かせそうな知見を得られて大変有意義でした」と語ります。
(注1)ラーニング・コモンズ:ITや情報を活用して主としてグループで自主的な学習や議論を進めていくためのスペース。

施策案:重複業務を統合しITセンターに移管 超過勤務の要因となっていたデータ処理業務は、ITセンターに専従担当チームを置き、各学部の重複業務を削減することとした。
超過勤務の要因となっていたデータ処理業務は、ITセンターに専従担当チームを置き、各学部の重複業務を削減することとした。

モチベーションも大きく向上

自らの行動で「業務は変えられる」

こうした活動を通して、メンバーの意識にも大きな変化が生まれました。自らが率先して改革に取り組むことで、組織や業務のあり方を変えていけるというイメージを持てるようになったのです。
「今回の活動を始めるにあたり、FIerには『職員に成功体験を感じさせて欲しい』とお願いしました。これまでさまざまな改善・改革活動を行ってきましたが、なかなか目に見えるような結果が得られなかったからです。その点、FIerが測定したモチベーション推移を見ると、右肩上がりに上昇。他大学訪問の段階では、測定限界を超えるほどの高まりを見せました。とかく内向きになりがちだった風土に風穴を開けられたことは大変良かった」と眞島氏は語ります。

活動メンバーのモチベーション推移 所属部門も年齢層も異なるメンバーが一致団結して活動に取り組んだ結果、現場のモチベーションも飛躍的に向上。今後の取り組みにも大きな弾みがついた。
所属部門も年齢層も異なるメンバーが一致団結して活動に取り組んだ結果、現場のモチベーションも飛躍的に向上。今後の取り組みにも大きな弾みがついた。

業務の整理や改善施策の立案が行えたことで、学部事務室の全学統合に向けた取り組みも加速。将来的な組織再編に向けて、作業スペースの確保や設置場所の選定などの作業が進められているとのことです。「若手職員が自らの熱い思いを表現するようになるなど、仕事に対する姿勢も従来とは大きく変わったと感じています」と熊谷氏。吉岡氏も「FIerが示してくださったさまざまな可視化手法も大いに参考になりました。この経験を今後につなげていきたいですね」と手応えを語ります。

策定した改善施策を行動に移す

具体的な活動を展開し「さらに一歩先へ」

さらに注目されるのが、今回の取り組みが学内の他の職員からも強い関心を集めた点です。フィールド・イノベーション活動の全体報告会(2015年12月17日開催)では会場の座席数が足りなくなるほどの人数が参加。作業時間の削減によって学生と向き合う時間を増やしたいという提案が、多くの職員の共感を呼びました。
全学部が一緒になって取り組み、その結果が多くの職員の賛同を得るに至ったこと。メンバーの自主性を引き出し、主体的に改善施策案の取りまとめが行えたこと。部門を越えた改革活動への意識が高まり、自ら声を上げる雰囲気が醸成されたこと。この3点は大きな成果と言えます。

FIプロジェクトの全体報告会 多くの参加者を集め大盛況となったプロジェクトの全体報告会。その内容は大学トップからも高く評価され、実現させて欲しい旨の要望があった。
多くの参加者を集め大盛況となったプロジェクトの全体報告会。その内容は大学トップからも高く評価され、実現させて欲しい旨の要望があった。

そして同大学ではこの結果をもとに、さらに次のステップを開始しています。「学部長会議で今回の活動を報告し、高い評価を得ました。改善施策の提言に留まるのではなく、ぜひ実現させて欲しいという要望を受けています。そこで先日、具体的な改善活動のため、ワーキングチームを発足させたところです」と眞島氏は説明します。
活動報告会で配布された資料のタイトルには、「~『行動する職員』『行動する組織』の実現に向けて~」という力強い文言が記されています。その目標を目指して新たな一歩を踏み出した中央大学。「Chuo Vision 2025」の実現に向けても、大きな足がかりとなりそうです。

動画による事例紹介

中央大学様 学部事務業務の統合へ向けた検討支援 【動画】


お客様概要プロフィール

中央大学 様

所在地: 東京都八王子市東中野742-1(多摩キャンパス)
東京都文京区春日1-13-27(後楽園キャンパス)
創設: 1885年7月
学部等: 6学部、8研究科、3専門職大学院
URL: http://www.chuo-u.ac.jp/Open a new window

FIer

今回のプロジェクトを通して

写真左から、矢島 孝行、加藤 宏明、宮田 和幸、村井 守問題認識や課題解決の場において、参加メンバーがアイデア交換や議論を楽しみ始めた事が、活動の第一歩でした。オブザーバーの温かい支援と、若手メンバーが具体的に課題を洗い出しアイデアを提案したことが、職員の皆様の心に響き成果に結びついたと考えています。今後も、お客様の改革継続・拡大のご支援をしてまいります。

【導入事例(PDF版)】

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[2016年6月 公開]

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