2011-12-20
富士通(中国)信息系統有限公司
穀物加工機器などを製造販売するサタケの現地法人、佐竹機械(蘇州)有限公司が昨年、01年より活用している富士通(中国)信息系統有限公司(FCH)の生産管理ソリューション「PRONES」のアップグレードを実施した。FCHの改善提案を受けつつ、財務システムとのデータ連携や見積もり機能追加による利益管理を実現。3年後に売上高5倍の目標達成に向けて、販路開拓を本格化している。

同社の高精度フルカラー光選別機。中国では光選別機に対するニーズが急増している
佐竹機械(蘇州)は日系メーカーとしては珍しく、98年の進出当初から内販を展開している。日本での圧倒的なブランド力と開発力を武器に、国有や外資系の大型精米工場を中心に超大型の精米機や光選別機を販売してきた。また、機器販売以外にも、稲の栽培診断から刈り取り後の乾燥、籾すり、精米、炊飯やパックご飯まで、川上ているのが同社の強みだ。
進出後10年が経過し、中国の食文化が変わりつつあるのを感じている。安心安全でおいしいお米を求める消費者の声が高まっているのだ。安心安全でおいしいお米を提供するためには、刈り取った米の選別が必須。そのため、光選別機に対するニーズが急増しているという。また、これまで同社のコピー製品を使用していた精米所が、歩留まり向上のため同社製の精米機に乗り換え始めていることも、同社のビジネスにとって追い風となっている。
「利益管理が可能になり、(販路拡大に)チャレンジできる条件が整った」と語る佐竹機械(蘇州)総合企画室室長の今林誠氏
同社はFCHが提供する生産管理ソリューション「PRONES」を01年から活用してきた。同社総合企画室室長の今林誠氏は「PRONES」の特徴について、「グローバルスタンダードの業務フローが備わっています。そのフローに合わせることで、自社の業務を効率化できます」と指摘する。
このほか、ひとつのパッケージで複数の工場を管理できることや、機能面ではテーブル構造が単純で見やすく、アドオンの自社開発も簡単に行えることが特徴だという。
同社は昨年11月、「PRONES」の導入後初となるアップグレードに踏み切った。その一番の目的は、財務システム「用友」との連携機能を追加することだ。従来は「PRONES」に入力したデータを紙に出力し、手作業で「用友」に入力していたが、入力ミスが少なくなかったほか、月次財務レポートの作成に2~3週間の時間を要していた。
また、利益管理の実現も目的のひとつだった。同社は近年、製品の単体販売だけでなく、見積もりから設計、生産、施工、据え付けまで一連の工程を請け負うようになっており、これに合わせて営業部門と生産部門を分離し、各部門の責任を明確化した。だが、業務が複雑化したため、ひとつのプロジェクトが終了しないことには利益を算出できないという新たな問題が持ち上がっていたのだ。
アップグレード後は、財務レポートが月初めの週には上がってくるようになり、速やかに経営判断を下すことが可能になったという。また、見積もり機能をアドオンし、コストをすべて紐付けしたことで、進行段階のプロジェクトでも利益を見通せるようになったほか、各工程の〝見える化〟も実現できた。
今林氏はアップグレード実施時、日本からの出張ベースで作業を進めていた。そのため、リーダーシップを発揮しにくかったのだが、「FCHの担当者が製造業に詳しかったため、導入はスムーズでした」と振り返る。
ユーザーの意見を聞いて、その通りにシステムを構築するベンダーも少なくない中、FCHの担当者は「こうした方がよいのでは」といった改善提案を数多く行った。もちろん、同社はすべての提案を採用したわけではないが、FCHの知見を十分に生かしながらシステムと業務フローを構築できたという。「ベンダーとユーザーとしてではなく、ビジネスパートナーとして経営課題の解決策を一緒に考えてもらいました」と語る今林氏の言葉からは、FCHへの厚い信頼がうかがえる。

佐竹機械(蘇州)は現在、生産者へと販路を広げるため、小型製品のラインナップを急いでいる
中国では政府の後押しで進んでいた精米工場の大型化が一巡した。このため、同社は集団農家などの生産者へと販路を広げるため、小型製品のラインナップを急いでいる。
生産者まで販路を広げれば、顧客の数が爆発的に増加し、営業情報の管理が複雑化する。さらに、新市場開拓に当たっては、同社製品がどのような強みを発揮できそうか、他社はどんな製品を投入しているのか、といった現場の声を吸い上げ、営業企画の立案に生かしていく必要もある。
3年後に現在の約5倍となる100億円の売り上げを目指す同社にとって、「営業が各自で管理しているプロジェクト情報を総合、共有できる仕組みの構築できなければ、目標達成は難しいといえます」(今林氏)。
同社は現在、メールや文書による回覧で情報共有しているが、この方法は効率的ではない。そこで、今林氏は今年6月に中国駐在を開始、情報共有システムの構築に取りかかっている。――「今後1年以内には(システム構築を)完了させなければなりません。日本本社と技術情報をシームレスにやり取りできる機能も搭載するつもりです」(今林氏)。
「中国の農業機械市場は、日本の約10倍の規模に成長する潜在性を秘めています」と今林氏は指摘する。同社はこれまで、日本と同様に短粒種米を栽培する地域で強みを発揮してきたが、今後は長粒種を栽培する中国南部での拡販にも力を入れる。中国で5カ所展開する事務所の営業機能を充実させるとともに、代理店を活用しながら、川上から川下までのトータルサポートで生産者市場での販路開拓を図っていく。
(※本ニュースは、漫歩創媒が発行した「Whenever Biz CHINA」の転載です)
富士通(中国)信息系統有限公司
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