2010-12-24
富士通(中国)信息系統有限公司
カレーハウス「CoCo壱番屋」(ココイチ)を展開する上海好侍咖喱客客壹番屋餐庁有限公司が、積極的な店舗展開を進めている。出店スピードを一段と加速させるために喫緊の課題となっていたのは、店内オペレーションを効率化するPOSシステムの導入だった。そこで、「開発力があり、セキュリティに信頼が置ける」(同社総経理の半田竜児氏)と評価した富士通(中国)信息系統有限公司(FCH)からのシステム導入を決めた。
中国でも大人気のココイチは現在、上海と北京、蘇州の3都市に計16店舗を展開し、12月に中国17店舗目となる天津利福広場店をオープンしている。1カ月の来店客数は全店合わせて14万人に上っており、特に上海静安寺店は2万人と、全世界のココイチ1200店舗の中でも最多記録を誇っている。このほどメニューブックを刷新。ハーフカレーなど安価なメニューを増やしたにもかかわらず、セットメニューやドリンクの見せ方に工夫を加えたことで、客単価が逆に上昇しているという。
中国での出店スピードを加速させている中、さらなる発展に向けて最優先課題となっていたのが、新たなPOSシステムの導入だった。「店舗が2倍になって、業務も2倍になったのでは話にならない」(半田氏)ため、店内のオペレーションをITで効率化する必要があったのだ。
システム導入に当たっては、「当社のためにソフト開発を一から請け負ってくれることや、売り上げなどの重要なデータを扱うシステムのため、セキュリティ面で信頼できること」(半田氏)を基準としてベンダーの選定を進めた。その結果、FCHのPOSシステムにたどり着いたという。
開発力とセキュリティでFCHのPOSシステム導入を決めた」と語る同社総経理の半田竜児氏
同社が徹底的にこだわったのは、店員がオーダーを取る際に使用するハンディターミナルの操作画面だった。ココイチのメニューはご飯の量やカレーの辛さ、トッピング、さらにドリンクなどのセットメニューも選べるようになっている。こうした選択肢の豊富さが人気の秘密でもあるのだが、店員にとってはオーダー取りが複雑な作業となり、時間のロスやオーダーミスが発生しやすかった。
オーダーの不手際は顧客満足度や売り上げに直結する。特に、昼のピーク時に起きれば致命的だ。そのため、オーダー取りをできる限り簡素化して、ミスが発生しにくいようにし、注文から料理提供までの時間短縮に繋げることが、操作画面の開発における焦点となった。店員が素早く入力できるよう、とにかくシンプルで分かりやすいインターフェイスを設計する必要があったのだ。
FCHサービスソリューション営業部経理の魯剛氏は、システム開発の様子をこう振り返る――。「POSシステムはパッケージを若干カスタマイズして導入するのが一般的ですが、同社はオリジナルなシステムを開発する決心をされていました。そのため、私どももココイチのメニュー構成やオーダーの取り方を熟知する必要があり、何度もヒアリングを重ねながら開発を進めました」。
ヒアリングには1カ月の時間を要した。無限ともいえるメニューの組み合わせを階層に仕分けつつも、できる限り入力作業を減らせる画面を目指し、ボタンの配置や画面の切り替わり方などを入念に設計していった。その後、さらに1カ月かけてソフト開発を行ない、2010年6月にココイチ虹橋上海城店へシステムを導入した。
現在、トラブルが発生しないよう、店員にトレーニングを施しながら、1店舗ずつ慎重に導入を進めている。同店が実施しているアンケートの結果を見る限り、導入店舗の顧客満足度はオーダーのスピードと精度がアップしたことで着実に向上しているようだ。半田氏は「ショッピングセンター(SC)内に出店している場合は、SC側のレジシステムとインターフェイスを連携させる必要があるものの、できるだけ早期に全店への導入を図りたいと考えています」と話している。
カレーハウス「CoCo壱番屋」は2015年までに中国100店舗を目指している
外食チェーンの多店舗展開に当たっては、「標準化」がキーワードとなる。ただ、その実行は言うほどに簡単ではない。店舗が増加するにつれて管理が行き届きにくくなり、品質やサービスのレベルが落ちてしまうリスクが高まる。しかし、サービスにこだわりを持つ同店にとって、ブランドに傷がつく事態は避けなければならない。そのため、新規出店と歩調を合わせ、人材育成にも力を注いでいる。
一方で、ITを活用した業務標準化も必須となる。目下、同社が追加を検討しているのは食材などの受発注システムだ。現在は上海本部が倉庫の在庫状況を確認しながら各食品メーカーに発注する形を採っており、担当者がデータをエクセルで管理、発注のタイミングを判断している。しかし、「総店舗数が20を超えれば、こうしたやり方は〝破綻〟しかねない」(半田氏)と危惧しているのだ。
そのほかにも、本部から各店舗の営業状況をタイムリーに把握できるシステムを構築し、より緻密な売上分析や業績不振店舗への早期テコ入れ、メニュー変更時の効果測定など、経営ツールとして活用していきたいという。また、店舗レジでの勤怠管理といったバックオフィス機能も追加することで、より一層の業務効率化に繋げたい考えだ。
同社は2011年も上海を中心に新規出店を進めていく。「賃料高騰により、出店に適した場所を見つけるのが難しくなっています。これが店舗拡大のボトルネックとなっています」(半田氏)というが、2011年末までに計30店舗体制を構築したいとしている。2015年までに100店舗展開を目指す同社にとって、FCHが提供するPOSシステムの重要性は増すばかりといえそうだ。
(※本ニュースは、漫歩創媒が発行した「Whenever Biz CHINA」の転載です)
富士通(中国)信息系統有限公司
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